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生活のQ&A

里親になる条件|年収が低いとNG?里親になれない人はどんな人?

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里親 条件 年収

【執筆者:編集部 小林えり】

里親になる条件に、経済的に困窮していない・研修過程が終了しているといった項目があります。

年収や子育て経験などは条件に無く、共働き世帯や独身の人でも里親登録は可能です。

ただし養育環境が不十分なときや、お金目当ての場合は認定が下りない可能性が高いため、里親になりたい人は制度や心構えを詳しく把握しておきましょう。

この記事では里親の種類や養子縁組との違い、受けられる手当などをまとめました。

この記事を読むとわかる!
里親のこと

 

  • 必要な条件と登録手順
  • 養子縁組との違い
  • 不向きな人と問題点
  • 里親を援助する方法

里親になれない人でも子どもを支援できる方法を紹介しているので、最後までぜひ読んでくださいね。

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里親になる条件とは│年収・年齢は基本的に無関係

里親 条件 年齢

里親になる条件として、以下の4項目が挙げられています。

  • 要保護児童の養育についての理解および熱意と児童に対する豊かな愛情を有していること
  • 経済的に困窮していないこと
  • 都道府県知事が行う養育里親研修を修了していること
  • 里親本人またはその同居人が欠格事由に該当していないこと

引用元:里親の要件 公益財団法人全国里親会

児童虐待や売春など、児童福祉関連の法律に違反したり、その他の刑で禁錮以上の刑に処されたりした場合のことを指します。
ヨセミテ編集部・笑顔
ヨセミテ
編集部
研修を受ける必要はありますが、特別な資格は不要で、子どもや児童福祉に対して十分に理解・愛情がある人が求められています。

生活する上で経済的に問題がなければ、年収や働き方の規定はありません。(※1)

また25歳以上であれば里親の年齢に上限はなく、60代や70代といった高齢の人もいます。

ただし条件を満たした人がすぐに里親登録ができるわけではなく、いくつかの手順を踏み、最終的に都道府県知事から認定が下りた場合に登録完了となります。

里親登録に必要な手続き

1.児童相談所へ連絡
2.職員との面接・相談
3.認定前研修の受講
4.申請
5.児童相談所からの家庭訪問
6.里親認定部会による審査

条件自体はシンプルですが、里親にもいくつか種類があることを把握しておきましょう。

里親制度の仕組みと種類

里親制度は生みの親(実親)の代わりに一時的に子どもを預かって育てる制度のことをいい、里親になっても法的な親子関係はありません。

里親制度の仕組み

・18歳になるまで一時的に預かり育てる
・法的な親子関係は無い(親権は実親)
・自治体から手当や養育費が支給される

また子どもの特性や関係性などから、里親は4種類に分かれます。(※2)

里親の種類1
養育里親
専門里親
さまざまな事情で
家族と暮らせない
子どもを、
一定期間引き取り
養育する
※原則子どもが
18歳になるまで
※数週間程度の
短期も可
虐待・非行・障害
などの問題を抱え、
専門的な援助を
必要とする場合に
養育する
※別途要件あり
里親の種類2
養子縁組里親 親族里親
養子縁組(基本的に
特別養子縁組)
によって、
養親となることを
希望する
※期間は縁組成立まで
病気、死亡、
行方不明など
による理由で
両親が子どもを
養育できない場合に、
親族が養育する

上記以外にも、養育者の住居で5~6人の子どもと暮らすファミリーホーム(小規模の住居型児童養育事業)制度が2009年度から始まりました。

ヨセミテ編集部・笑顔
ヨセミテ
編集部
生みの親が育てられない場合でも、より家庭に近い環境で継続的に生活できることが大切ですね。

子どもを引き取って育てるという意味では養子縁組と似ていますが、制度の内容は大きく異なります。

養子縁組制度との違い│法的な親子・補助金なし

養子縁組を結んだ場合は法的に実の親子と認められ、補助金が無くなるなどの違いがあります。

里親と養子縁組の制度の違い1(※3)
里親
子の年齢 原則18歳まで
親子関係 実親との親子関係が
継続し、
里親と親子関係は無い
戸籍の記載 なし
関係の解消 18歳で自立
or
途中で実親元へ戻る
補助金 月9万円の手当+養育費
※実親=生みの親、養親=養子縁組を結んだ育ての親
里親と養子縁組の制度の違い2(※3)
養子縁組
特別養子縁組 普通養子縁組
子の年齢 原則15歳未満 年齢制限なし
※養親より年下とする
親子関係 実親との親子関係は
無くなり、法的に
養親と親子になる
実親・養親ともに
親子関係有り
※親権は養親
戸籍の記載 長男・長女 養子・養女
関係の解消 原則離縁が不可能 離縁が可能
補助金 0円
ヨセミテ編集部・メモ
ヨセミテ
編集部
養子縁組には家の事情(跡取りや相続分配など)を目的とすることが多い普通養子縁組と、子どもの福祉を守る特別養子縁組の2種類あります。

特別養子縁組の場合独身は認められず、夫婦両方の同意が必要であったり、縁組成立の前には半年間一緒に暮らす必要があったりと、厳しい審査条件があるので注意しましょう。

こちらの漫画は特別養子縁組と里親について、分かりやすく描かれていますよ。

子どもを育てるには生活費・教育費などのお金が必要ですが、里親制度では国から経済的な援助があります。

養育・専門里親への里親手当とサポート

里親には毎月の支給される手当を含む、さまざまなサポートがあります。(※4)

里親への支給手当
養育里親 専門里親
経済的援助 里親手当 90,000円/月 141,000円/月
生活費 52,370円/月
( ※乳児は60,390円)
その他 教材費用・給食費
医療費などは実費
※高校生以上は定額支給
休息支援 レスパイト
ケア
8,640円/日
(※2歳以上は5,600円)
※親族・養子縁組里親を除く
養親が一時的に休息を取りたい場合に、ほかの里親やファミリーホーム、児童養護施設などに子どもを預けられる制度です。

子どもにかかる生活費は、一般的に施設・家庭ともに月額5万円程度といわれています。

そのため「養育を考えると年収が低くて不安」という場合も、子どもに関しては上記の手当で十分まかなえるでしょう。

ヨセミテ編集部・笑顔
ヨセミテ
編集部
 以前まで第二子以降は半額程度の手当でしたが、2021年からは第一子と同額支給されるようになりました。

また里親同士の交流をはかる「里親サロン」や、民間企業が家庭を訪問して悩みを聞く制度など、子育ての苦労を抱え込まない体制づくりも進められています。

里親に関しては、こちらの動画も参考にしてくださいね。

一方で、欠格事由に該当している場合や、仕事が不安定で自分の生活もままならない人は、里親になることは厳しいかもしれません。

里親になれない人とは│お金目当ては長続きしない

里親 お金目当て
養育する能力が無い場合は里親になれない人とみなされ、里子を迎え入れるのは困難でしょう。

里親になれない人の例

・子どもを育てる住環境が整っていない人
・日中の預け先が無い人
・体が弱く、子どもと向き合う体力が無い人
・子どもの特性を理解できない・しようとしない人

高齢者や独身の人でも里親の登録は可能ですが、子育て経験が無く、子どもに関する知識が乏しい・体力に自信がない場合は、養育者としてふさわしいと言い難いですね。

ヨセミテ編集部・笑顔
ヨセミテ
編集部
登録済みでも、子どもを委託されていない里親は6割を超えているとされています。

暮らしとお金に関する記事は、こちらも参考にしてください。

また、お金目的の里親登録は絶対にしてはいけません


たとえ子どもを迎え入れられたとしても、愛情のない子育ては長続きしないでしょう。

あってはならないことですが、里親の元で虐待を受けて児童養護施設へ戻る子どもには、深い心の傷が残ってしまいます

「毎月お金もらえるし、使い道は親の自由だ」という不純な動機を持つ里親がいると、本当に子どもが欲しくて里親になりたい人のイメージにも、悪い影響を与えてしまう恐れがあります。

現状と問題点│認知度の低さ・実親の存在など

日本では何らかの事情で生みの親と暮らせない子どもが約42,000人いますが、そのうち里親の元で暮らしている子どもは、全体のわずか13.3%(約6,000人)といわれています。(※5)

 諸外国の里親委託率は、オーストラリアが90%以上と最も高く、次いで香港・アメリカ・イギリスとなり、いずれも70%を超えています。

養子縁組に関しても、日本が年間500人程度なのに比べ、アメリカでは5万人以上・イギリスでは4,500人程度で、日本では多くの子ども達が施設で生活しているのが現状です。

ヨセミテ編集部・笑顔
ヨセミテ
編集部
先進国の中でも最低基準の数値で、国連から改善勧告が過去に3度出ています。早急な改善が求められますね。

里親制度が普及しない理由のひとつに、認知度の低さが挙げられます。

静岡市が行った市民アンケートでは、「里親という言葉だけは知っているが内容は知らない」という意見が54.2%、別の質問では「里親に関心が無い」という意見が62.4%と、どちらも過半数を占めています。

ヨセミテ編集部・笑顔
ヨセミテ
編集部
里親の委託率を上げるには、まず一人ひとりが里親制度に興味を持つことが重要といえるでしょう。

また里親と暮らしていても親権は実親(生みの親)にあるため、実親の気分次第で里子との別れが来るかもしれない不安や、実親の同意が必要な場面が多いという苦労があるようです。


血縁関係を重視する日本の制度に、苦しむ里親の人が多いのが現状といえるでしょう。

「里親になりたくても現実的に難しい」という場合でも、子どもを助ける方法があります。

里親の支援方法│継続的に寄付するオンライン里親

里親 審査

里親を支援する公益財団法人やNPOなど多くの団体では、里親や里子を支援するための寄付を募っています。

全国里親会では、「マンスリーサポーター」という毎月継続的に寄付を行う人も募集していますよ。


集められた寄付金は普及を目的とした広報事業や、里子支援イベントなどへの資金になります。


また児童養護施設出身の子どもの進学を支援する「オンライン里親」という方法もあります。

ヨセミテ編集部・笑顔
ヨセミテ
編集部
一人あたり「月額1万円×12ヶ月」を10人のオンライン里親で集めて、学生の進学資金を支援していくという仕組みです。

団体によって金額や方法など内容はさまざまなので、興味がある人はぜひ調べてみてくださいね。

結論|里親になる条件に年収や年齢は無いが、養育能力が問われる

里親のまとめ
  • 里親登録に資格は不要、子どもへの熱意と愛情が求められる
  • 年収や年齢の規定はないが、養育能力が無い人は不適合
  • 里親に親権はないが、養子縁組した場合は親権が発生する
  • 認知度の低さや実親の存在が、里親制度の低い普及率の一因
  • 継続的な寄付で支援する「オンライン里親」という制度

里親になる条件はそれほど多くなく、年収や結婚の有無などは問われません

しかし里親登録が出来ても、子どもを実際迎え入れるには審査で養育能力を判断されるので注意しましょう。

日本の里親制度の普及率を上げるには、社会全体の理解と協力が必要です。

制度の悪用や誤解がないよう、内容を正しく把握することから始めていきましょう。

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