【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
先日冷蔵庫に入りきらずに常温で放置していた大根を切ると、茶色に変色していました。
外側はなんともなかったのですが、中身に茶色いシミのようなものがあり、食べられるのかよくわかりません。
茶色い部分だけ取り除けば大丈夫な気もしますが、食べない方が良いのでしょうか?
また、買ってきたばかりの大根に、放射線状に茶色い筋が付いていたことがあります。
こちらは食べられないと思い捨てましたが、実際のところはどうなのかわかりません。
そこで、大根が茶色に変色しても食べられるのか詳しく調べてみました。
- 茶色く変色した大根は食べられるのか
- 大根が茶色くなる原因
- 黒や青に変色した場合は食べられるのか?またその原因について
- 大根は腐るとどうなるのか
- 変色を防ぐ正しい保存方法について
大根は茶色だけでなく、黒や青に変色することもあります。
茶色い斑点状のものから、黒い塊、全体的に青いものなど様々なので、それらの原因を画像とともにご紹介します。
腐るとどうなるのかも解説するので、大根を食べられるかどうかをしっかり判断できるようになりますよ。
なるべく変色を防ぐ保存方法もご紹介するので、ぜひご確認ください!
管理栄養士・栄養士
目次
大根の茶色い筋や斑点は食べられる?茶色のシミや変色の原因も調査!
大根は実は変色しやすい野菜で、茶色や黒、青色に変色することがあります。
まずはよくある、茶色く変色する理由から詳しく説明していきますね。
大根が茶色に変色する理由
- 鮮度が落ちた状態
- ポリフェノールの蓄積(酸化している)
- 赤芯症(黒芯症)や黒点病などの病気
大根が茶色くなるには、これら3つの原因が考えられます。
しかし茶色に変色してしまっても、実は食べられることがほとんどです。
その理由を茶色くなった画像とともに、詳しく説明していきます。
大根が茶色くなった原因を画像とともに解説!
まずは、表面や切り口などに茶色い斑点ができる場合です。
購入した時は平気でも、徐々に茶色くなることが多いですね。
鮮度やポリフェノールが原因の場合
鮮度が原因の場合は、大根が古いだけで腐っているわけではないので食べられます。
うちの大根もよくなってしまうのですが、鮮度が落ちると皮の表面や中身の断面部分に茶色いシミのような斑点ができます。
また大根に含まれているアントシアニンというポリフェノールが蓄積して酸化すると、中身が茶色になることも考えられます。
買い置きの大根切ったら断面が茶色くて、やっちゃった~😭と思いつつ調べたら、茶色の変色は「おいしくないけど食べられる」とのこと
なら食おう!と切り進めたら半分青いツートンカラーになってた😱
こんな大根見たことない🤮
青いのも食えるらしいんで煮物にした😳
味は少々えぐみありでしたね😂 pic.twitter.com/NDTOjM8eqC— ヨ一ク (@steekikun) October 3, 2018
いずれにせよ、このように中身が茶色っぽいものでも食べられるので、安心してください。
ただし味は落ちるので、茶色い斑点部分が少しなら、取り除いたほうが良いでしょう。
大根の中心部まで茶色なら、煮物などにして食べるのがおすすめです。
また、鮮度が落ちて茶色くなった大根は、真ん中が空洞になってスカスカになる一歩手前の状態なので、早めに食べてくださいね。
赤芯症や黒点病が原因の場合
赤芯症(黒芯症)は、芯の部分が茶色や黒、赤褐色になる大根の生理現象で、取り除けば食べられるようです。
お雑煮を作ろうと思って駅前のスーパーで先ほど買ってきた大根を切ってみたらコレ。引いた。
ここのスーパーキノコにカビ生えてたり、果物腐ってたり、管理がずさんすぎる。#スーパー#LIFE#ライフ pic.twitter.com/6tPOI1btrc— 🥃らむ ちょちょこ🍫💕 (@29LoveHunter) January 2, 2020
とは言え、ここまで変色してるとちょっとためらってしまいますね…。
高温多湿やホウ素の不足で起こるため、夏の大根に現れやすい病気と言われています。
また、黒点病は大根の内側に茶色い筋が放射線状に現れます。
大根の黒点輪腐病とはこんな感じです。 pic.twitter.com/I9JsOP4WEG
— さかまきのおじさん (@ristorante_maki) October 30, 2013
これは、土中にいる糸状菌というカビが大根の筋に入り込んだ病気ですが、食べても問題はありません。
さすがに千切りサラダにするのは見た目が気になりますが、煮物なら全体的に茶色になるので食べやすいですね。
また、これらの病気は、外側からは茶色かどうかわからないので、切ったら中身が茶色かったということが多いです。
<豆知識>大根は干すと茶色くなる
大根を干すと、大根に含まれている糖分とアミノ酸が化学反応を起こして茶色くなることがあります。
これも問題なく食べられるので、ご安心ください!
千切りは面倒なので手を抜いて、ピラーでむいて「むき干し大根」に。大根は90%から95%が水分。干して保存するが、夏を越えるころには濃い茶色に変色する。 pic.twitter.com/V9uhepzA0s
— 有機農業ニュースクリップ (@OrganicNewsClip) December 29, 2019
ただし、表面に黒色の斑点がたくさん出たらカビの可能性があります。
臭いを確かめるなどして、腐っていないかよく確認してくださいね。
それでは続いて、茶色ではなく他の色に変色した場合も解説してきます。
大根を切ったら中身が変色していた!黒色や青色になるのは大丈夫?
大根は茶色くなる以外にも、黒や青に変色することがあります。
こちらの変色に関しても詳しく解説します。
食べても大丈夫な黒や青の変色
大根に黒い斑点や黒い筋がある場合は、先ほどもご紹介した赤芯症(黒芯症)や黒点病である可能性が高いです。
さっき買ってきた大根の中に、
黒い斑点が並んでいて、焦った (‘Д’)あわわ pic.twitter.com/IA2gRWtGMS— バロン☆ばろん☆Baron (@rekuza2014mp) March 20, 2017
一見食べられないようにも見えますが、もちろん食べても問題ありません。
そして黒色だけでなく、切ったら中が青い場合もあるのです。
おつとめ品だった大根切ったら青くなってて、カビかと思ってビックリしたけど、調べてみたらこれ「青あざ症」っていうのですね!初めて知りました!
味は落ちるが食べても大丈夫らしいのでお味噌汁にしちゃおう。 pic.twitter.com/Yjl71W0qcI
— ねり子@例大祭【B-09a】 (@neriko_nerineri) December 6, 2018
青カビのようにも見えますが、これは大根の生理現象「青あざ症」です。
生育過程の高温多湿やホウ素不足、またはアントシアニン(ポリフェノール)が影響していると言われています。
食べても大丈夫なのですが、あまりに青いと苦みが強いので食べられないかもしれません。
おろしにすると青みが薄れるそうなので、気になる場合は試してみて下さいね。
ちなみに、大根の中が薄い青色もしくは透明に見えるのは、「水晶現象」で、こちらも食べられる状態です。
買ってきた大根が…
水晶現象というらしい…
買い直しだわ…早く実家の野菜達が収穫できますように pic.twitter.com/NHfJJ99uz9
— 松鶴香 (@miumiu_0415) October 15, 2016
水晶現象は生育過程ではなく、温かい場所に長時間置くなど、保存状態が悪い時に起こる現象です。
このように大根に黒い線や青い部分があっても、味は落ちますが食べられます。
ただし、以下のように黒くなっている場合は食べられません!
食べたら危険な黒カビの場合
大根の生理現象である黒点病や青あざ症であれば、美味しくなくても健康被害はありません。
しかし、黒カビが原因の場合は食べられないので、画像で確認しておきましょう!
413臭いんだけどって思ったら大根腐ってる… pic.twitter.com/OHw052FnPa
— まゆ (@_L0e) March 9, 2016
大根の中身ではなく皮の周りに茶色や黒い斑点があるのは、カビの可能性が高いです。
また、こちらのように一部分に黒い塊があるのも黒カビだと思われます。
こんなんなってる大根
初めて見た…Σ(゚д゚lll)
中に黒カビ…(o_o)?
天候不順のせいかなぁ…(>_<) pic.twitter.com/anh2Z1uZQ3— さいきみなみ (@minaminng) October 2, 2016
黒い部分を取り除いても、目に見えない菌が蔓延しているかもしれません。
残念ですが、黒カビの生えた大根は食べないようにしましょう。
そのほか、大根が腐って食べられないのはどんな状態か見分け方をご紹介します。
大根は腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
黒カビが生えた大根は食べられませんが、その他にも腐っているサインはあります。
食べられるか判断するためにも、腐るとどうなるか見分け方をご説明します。
大根が腐っている目安
- 黒や茶色いカビが生えている
- 酸味やカビ臭など異様な臭いがする
- ぬめりがある
- ぶよぶよに軟らかい
- 全体的に溶けている
カビは先ほどの画像を参考にしていただきたいのですが、臭いも確かめてみて下さい。
カビの臭いや強い酸味など、違和感があれば腐っているサインです。
変色だけで判断できないときは、目安にしてみて下さいね。
それ以上腐敗が進むと、全体的にぶよぶよに柔らかくなったり、ぬめりが出て溶けてきます。
そこまでなってしまうと当然食べられませんので、残念ながら破棄しましょう。
<まめ知識>大根にスが入るとは?
大根に「スが入る」と聞いたことはありませんか?
これは大根の真ん中に穴が空いてスカスカになることを差します。
水分不足が原因なので食べられるのですが、傷んでいることは間違いありません。
大根にスゴイ「ス」が入ってて、びっくりしたー! pic.twitter.com/xL4I15IkBm
— まいるん:低浮上 (@amamoto_mile) January 19, 2019
大根が茶色くなると、そのうちスが入ることも多いので、早めに食べてしまいましょう!
大根が変色したり傷んで腐るのは、保存状態にも大きく左右されるので、正しい保存方法もご紹介しておきます。
大根を茶色くさせないコツは?変色防止できる保存方法を紹介!
大根は寒い環境を好む野菜なので、夏など暑い時期に常温で保存すると、変色や腐敗を招いてしまいます。
特に夏場の大根やカット大根は、常温ではなく冷蔵庫の野菜室で保存すると茶色くなりにくいです。
また外側からはわからない、中身が変色した大根を避けるためには、カット大根を買うのも一つの方法でしょう。
大根の変色防止のコツ
- 常温ではなく冷蔵庫の野菜室で保存する
- 早めに食べるか冷凍しておく
- 切ったらなるべくすぐに調理する
<大根おろしの場合>
- 酢を入れる
- 食塩水に浸す
何度も冷蔵庫から出したり入れたりすると、温度変化で茶色くなりやすいです。
酸化による変色も防げるので、切ったらなるべくすぐに調理しましょう。
ちなみに大根おろしの変色は酸化が原因なので、酢を入れておくと茶色くなるのは防げます。
一度に食べきれないようであれば、冷凍しておくのがおすすめですよ。
次に具体的な保存方法を確認しておきましょう。
大根の上手な保存方法
大根を保存するには、冷蔵庫の野菜室か冷凍です。
それぞれの方法をご説明していきます。
冷蔵庫での保存方法
大根は水分が多いので、なるべく乾燥しないように保存しましょう。
- 葉が付いている場合は切り落とす
- 切り口をラップでしっかり包む
- 湿らせた新聞紙やキッチンペーパーに包んで袋に入れる
- 冷蔵庫の野菜室に立てて保存する
葉が付いていると養分を吸い取ってしまうので、切って保存してください。
葉の部分は下茹でして冷凍しておくと便利です。
なるべく立てて保存した方が長持ちします。
パサパサになってしまった場合は、少し水に浸けておくとシャキッとなりますよ!
続いて冷凍の方法です。
冷凍庫での保存方法
食べきれないと分かっているなら、茶色くなるのを防ぐためにも冷凍してしまいましょう。
冷凍するときは、その後の調理に合わせてカットしておくと便利です。
- 調理予定に合わせてカットしておく(イチョウ切りなど)
- 冷凍用保存袋に入れて保存
冷凍した大根は2週間を目安に使ってください。
また、大根おろしを冷凍するときは、製氷皿を利用すると簡単です。
固まったらフリーザーバックにいれておけば、必要な分だけ使うことができますよ。
まとめ
茶色や黒、青に変色した大根は食べられるのか、変色する原因などについて詳しく解説してきました。
ポイントをまとめます。
- 茶色や黒、青に変色しても食べられることが多い
- 変色する理由は鮮度、酸化、生理現象による病気が多い
- ただし、黒カビの場合は食べられないので臭いなども確認
- 腐るとカビだけでなく、臭いに違和感があり、ぶよぶよ柔らかくなる
- 変色を防ぐには、温度管理や酸化に注意する
- 冷蔵庫の野菜室か冷凍で保存すると変色を遅らせることができる
茶色や黒だけでなく、青色に変色しても食べられるんですね!
全体的に変色していたら取り除くのはむりなので、煮物などに使おうと思います。
生育過程で変色してしまったものは防ぐのは難しいですが、保存を工夫することで変色を遅らせることができそうです。
みなさんも今回の情報を参考に、大根がなるべく茶色くならないよう、上手に保存してみて下さいね。