ポカリスエットを飲み過ぎると体に悪い？1日の適量や効果的な飲み方とは

【監修者：管理栄養士 山田美穂】

冷えたポカリスエットの飲み過ぎると、刺激を受けた腸の動きが活発になりすぎて水分を吸収しきれなくなり、下痢になる場合があります。

ポカリスエットは糖分を多く含むため、糖質の過剰摂取で吐き気を起こす急性糖尿病や、頭痛、太るなどのデメリットがあります。

また、多く含まれる塩分の影響で高血圧や腎機能の低下など、体に悪い影響を起こす場合があり飲み過ぎに注意が必要です。

スポーツドリンクとも呼ばれるポカリスエットは汗をかくシーンに適した飲料です。

とくに汗をかきやすい暑い夏場には、毎日の水分補給に適していると、冷蔵庫に常備する機会が増える場合もあるでしょう。

そこで、今回はポカリを飲むときに注意してほしい、以下の項目についてまとめました。

この記事を読むと、体に悪い影響が起こる心配のない1日の適量や、各ポカリ商品のメリット、飲むシーンに合わせた選び方や効果的な飲み方がわかります。

ポカリスエットを利用した正しい水分補給の方法を知りたいあなたに役立つ内容なので、ぜひ参考にしてください♪
 

ポカリスエットを飲み過ぎると体に悪い？下痢などの原因にも

冷たいポカリスエットを飲み過ぎると、腸が刺激され水分を吸収しきれなくなり、下痢を起こす場合があります。

また、塩分と糖分が多く含まれているため飲み過ぎると体に悪い影響をもたらす可能性もあります。

塩分の過剰摂取による高血圧や腎疾患、糖質の影響で太る原因や血糖値の乱れより急性糖尿病・低血糖になるなど注意が必要です。

主に販売されているポカリシリーズ商品の塩分と糖分はどのくらい含まれているのか確認してみました。（下記の「炭水化物」は糖質と食物繊維の合計です。）

主なポカリのシリーズに含まれる栄養成分（※1）

	ペットボトル 500ml	イオンウォーター 500ml	パウダー 1L用 1袋 74g	ゼリー 1袋 180g
エネルギー（kcal）	125	55	288	55
食塩相当量（g）	0.6	0.5	1.32	0.24
炭水化物 （g）※	31	13.5	73	13.3

※砂糖、ブドウ糖（果糖液糖）、果汁（粉末）を含む

ペットボトルのポカリスエットは500ml以外に250mlから2Lまでラインナップされています。

イオンウォーターは、通常タイプよりも甘さ控えめで常温でもおいしいのが特徴です。

パウダータイプは水に溶かして作るタイプで、1L用と10L用があります。

ゼリータイプは食べて水分補給できるタイプで、小腹も満たせるメリットがあります。

商品によって含まれる栄養成分量は異なりますが、どの商品も塩分と糖分が多く含まれていますね。

まずは、塩分を摂りすぎるとどのような病気のリスクがあるのか確認してみましょう。

ポカリスエットに含まれる塩分に注意！塩分過多の影響に

塩分を摂りすぎると、高血圧や腎機能の低下になりやすくなるため注意が必要です。

高血圧や腎機能が低下すると、以下の病気を起こす可能性が高まります。（※2）

摂りすぎに注意が必要ですが、日本人の1日の平均塩分摂取量は男女平均10.1gで、以下の塩分目標量を超える傾向にあります。（※3）

1日の塩分摂取目標量

健康な人	男性 7.5g未満 女性 6.5g未満
高血圧の人 慢性腎臓病の人 （※4）	6g

味噌汁1杯の塩分量は2gが目安です。（※5）

1日3食ごとに味噌汁を付けるだけで合計6.0gと、高血圧患者の塩分摂取目標量に達してしまいます。

普段の食事でも慎重な塩分管理が必要となるため、ポカリスエットにも含まれる塩分は注意が必要です。

さらに、摂りすぎると急性糖尿病を起こす可能性がある糖質も多く含まれています。

ポカリスエットの糖分は太る原因や急性糖尿病を起こす可能性が

ポカリスエットの飲み過ぎは糖質の過剰摂取で太る原因になり、体内で過剰に血糖値の上げ下げが繰り返されることで急性糖尿病や低血糖を起こす可能性があります。

急性糖尿病の症状は以下の通りです。（※6）

このように生命に影響を及ぼす可能性があるため、糖尿病の方はポカリスエットを控える必要があるといわれています。（※7）

ほかにも、急激に血糖値が上がることで、体内に備わる血糖値を上げたり下げたりするホルモンのはたらきで、一時的に低血糖になり、頭痛を起こす場合があります。（※8）

実際に、ポカリスエットを飲み過ぎて、頭痛と吐き気が起きた方がいるようです。

ずっと頭痛いし吐き気がする…
ポカリ飲みすぎ？
血圧あがったんかな？

— (21) (@michiko_d21) July 30, 2018

頭痛や吐き気は、熱中症の症状にも似ていますね。

また、暑いときは冷たいものが欲しくなりますが、冷たい飲み物の摂りすぎると下痢になる場合があります。

冷たい飲み物は下痢の原因になる場合も！飲み過ぎに注意が必要

冷たいポカリスエットを飲み過ぎると、腸が刺激され活発に動き過ぎて水分を吸収しきれなくなり、下痢を起こす場合があります。（※9）

さっき目覚めの一杯に冷たいポカリがぶ飲みしたら折角治った下痢がぶり返してて笑う

— 笹木(たけ) (@takenoko_AAAAAA) January 31, 2019

とくに、下痢のときは冷たい飲み物のが飲みを避けたほうがよいといえますね。

さらに、エアコンが効いた部屋など体の冷えになる条件が重なると、胃腸の機能が低下して胃もたれや便秘になる可能性もあります。（※10）

体調不良につながらない、おすすめな飲み方はこちらでご紹介しますね。

では、このようなデメリットを生じない、ポカリスエットの適量についてみてみましょう。

ポカリスエットの飲み過ぎにならない適量とメリットとは

ポカリスエットの適量は、以下にしましょう。

ポカリスエットは適量を守れば、脱水や熱中症予防に期待がもてる飲料です。

では、なぜこの適量になるのか、詳しくお伝えしますね。

１日の適量はイオンウォーター500ml1本かゼリーが1袋がおすすめ

日常でポカリスエットを飲む場合、イオンウォーター500ml1本またはゼリー1袋であれば、1日の炭水化物（糖質含む）の目安量を超えないからです。

1日の炭水化物目安量は以下で求められます。

成人の必要なエネルギーの平均目安量（身体活動がふつうの場合）（※11）

男性	女性
2,650kcal	2,000kcal

炭水化物の目安量は、必要エネルギー量の50～65％とされています。（※12）

女性のエネルギー量を50％で計算した場合、1,000kcalの炭水化物を摂る必要があります。

炭水化物は1gあたり4kcalなので、1日の炭水化物の目安量は250gとなります。

普通茶碗1杯のご飯（150g）が56gなので、仮に1食の炭水化物量を80gとしても、イオンウォーター500ml1本であれば、1日の炭水化物目安量を超える心配は少ないです。

ただ、塩分量がやや高めなので、気になる場合は塩分量が半分の食べるゼリータイプがおすすめです。

年齢が低い子供（3歳～5歳）の場合、1日の炭水化物目安量は162gとなるので、大人の半量を目安に、以降の年齢は様子を見て調整するとよいでしょう。（※13）

ただ、虫歯のリスクや体が小さい子供の間食は、捕食としての目的もあり、食事と近いものをとる必要性があることから、清涼飲料水であるポカリを習慣的に飲むのはあまりおすすめされていません。

日常で飲む場合は、たまのお楽しみにしましょう。

また、運動で大量に汗をかいた場合は、通常のポカリがおすすめです。

運動した場合はポカリスエット500ml1本を目安に

運動をして大量に汗をかいた場合は、通常のポカリスエット500ml1本を目安にしましょう。

理由のひとつに、汗には、ナトリウムイオン（塩分）が含まれ、大量の汗で体内の塩分バランスが崩れると、脱水症状の発生リスクが高まるため、塩分の補給も必要となるからです。（※14）

もうひとつ、糖質のはたらきがあります。

炭水化物（糖質）が他の商品に比べて多いですが、糖質は体を動かすエネルギー源とされるので、消費エネルギー量を考慮すると大幅な過剰傾向となる心配は少ないといえるからです。（※15）

ただ、1日の炭水化物量目安量に対して過剰摂取にならないよう、ペットボトル500ml1本を参考にして飲み過ぎに注意しましょう。

では、適量を守った場合のポカリスエットのメリットをみていきましょう！

すばやく水分補給ができるポカリのおすすめの活用方法

ポカリスエットは、体内の水分と近い濃度で含んだイオン飲料です。（※16）

そのため、水だけでなく汗として一緒に失われたナトリウムイオン（塩分）をスムーズに補給できるメリットがあります。

運動以外に、以下の症状でたくさんの水分が失われる可能性があるときにおすすめの飲料です。

下痢のときにはイオンウォーターか、子供には生後3か月から利用できて便利な使い切りタイプの「ビーンスターク」がおすすめです。

さらに、ポカリスエットの効果的な飲み方を紹介します。

ポカリスエットの効果的な飲み方｜避けるべきポイントも紹介

ポカリスエットの効果的な飲み方と避けるべきポイントは以下になります。（※19）

水分は事前に補給しておくことが大切です。（※20）

また、運動前に糖分を摂ることは、運動中のエネルギー不足の予防にもつながります。

反対に避けるべきポイントは、

これらは、スムーズに水分補給をできるよう調整されたポカリスエットの濃度が崩れてしまうからです。（※21）

近年、熱中症で死亡者がでるほど酷暑が続いているため、ポカリスエットを上手に利用していきましょう。

結論｜ポカリスエットは飲み過ぎ注意！適量を飲もう

ポカリスエットには糖分が多く含まれていて、飲み過ぎると太る原因や急性糖尿病など体に悪影響がでる可能性があります。

また、塩分も多く含まれるため摂りすぎると、高血圧や腎機能の低下を起こす場合があります。

とくに日本人は塩分の摂りすぎ傾向にあるので注意が必要です。

そのため、日常でポカリを飲む場合はカロリーオフのイオンウォーター500ml1本か、塩分が少なめなゼリー1袋であれば飲んでも大丈夫な量といえます。

運動した場合は、エネルギー補給も含めポカリスエット500ml1本を目安にしましょう。

飲み過ぎや飲み方に注意すれば、脱水や熱中症予防に期待がもてる飲料です。

効果的な飲み方を参考にしていただき、ポカリスエットを健康の味方にしていきましょう。

 

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