【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
チョコレートは腐るかどうかわからないほど日持ちする食品と言われていますが、保存状態によっては劣化が進み、風味が落ちたりカビが生えたりすることがあります。
表面が白色っぽくなったり溶けたりしたチョコは劣化してもまだ食べられるので、それらの特徴を把握しておくと便利ですよ。
この記事では、手元にあるチョコがまだ食べられるのかわからない人のために、腐るとどうなるのか見分け方など、以下の項目について紹介します。
生チョコが腐りやすい原因や、一般的なチョコの賞味期限についても解説しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事を読めば常温や冷凍での保存方法や、劣化したチョコの美味しい食べ方もわかりますよ!
管理栄養士・栄養士
目次
チョコレートが腐る (劣化する) とどうなる?見分け方を解説
劣化したチョコレートにはいくつかの特徴が現れるので、それらのポイントをチェックすれば食べられるかどうか判断できます。
具体的な特徴と、食べられるかどうかの判断基準を確認してみましょう。
風味が落ちたり表面が白っぽくなったら劣化のサイン
チョコレートが溶けると劣化して風味が落ちたり、表面が白っぽくなったりするので、以下の特徴を確認してみましょう。
特徴 | 食べられるかどうか |
---|---|
表面が白っぽく変色している | 〇 |
溶けて変形している | |
カビが生えている | × |
温度が上昇した際チョコに含まれるココアバターが溶けた後、冷えて固まると表面が白くなること。
冷えたチョコを温かい場所に置いた際、チョコの表面に水滴が発生し、チョコの含んでいる砂糖が溶け出す。その後に水分が蒸発する際、砂糖が結晶化しチョコの表面が白くなること。
また、チョコは高温に弱く、28℃前後になると溶けて変形することがあります。
このように、チョコが溶けて変形・白くなっても食べられますが、風味が落ちて美味しくないかもしれません。
チョコが劣化しないように正しい保存方法を守るのも大切ですが、もし質が悪くなっても工夫次第でリメイクできますよ。
そのほかに古くなったチョコには、まれにカビが生えることはあります。(※2)
カビが生えた食品を食べると食中毒を引き起こす場合もありますが、発がん性についても注意が必要です。(※3)
安全性に問題があるため、カビが生えたチョコは食べないのが無難です。
なお、「チョコは腐らない」と言われるほど腐敗しにくい食品ですが、チョコの種類によっては腐りやすいものもあるので注意しましょう。
生チョコが腐りやすいのは水分が原因
「チョコって本当に腐るの?」と思うほどチョコは腐りにくい食品なのですが、生チョコのように水分量の多いチョコレートは腐りやすいため注意しましょう。
食品の腐敗は微生物の増殖が原因で、微生物が増殖するためには水分が必要です。(※4)
生チョコは普通のチョコよりも水分を多く含んでいるので、保存の仕方によっては腐る可能性があると考えられます。
チョコの種類 | 全重量中の水分 |
---|---|
チョコレート | 3%以下 |
生チョコ | 10%以上 |
ロイズの生チョコレートは製造後1ヶ月で賞味期限が設定されているので、普通のチョコよりも日持ちしにくいのがわかりますよね。
口コミを調べてみたところ、生チョコを食べて食当たりを起こした人は多いようです。
昨日作った生チョコで食あたり起こした…相手にあげなくてよかった…
— 安藤キョウスケ (@kyousuke_andou) April 8, 2017
ほかにもお腹壊すなど腹痛の症状が現れたという方もいました。
生チョコ食ったら腹痛なってきた
— はるかーちょ@Харука (@haragurosuharu) June 6, 2018
では次に、チョコはなぜ腐るのかといった劣化の原因や正しい保存方法を確認してみましょう。
チョコレートが腐る (劣化する) 原因は?賞味期限の目安と保存のコツ
チョコは温度や湿度が適切でないと前述したブルーム現象などの劣化の原因となるため、適切な環境で保存することが大切です。
まずは、常温保存するときのコツを確認してみましょう。
常温保存・冷蔵保存するときのポイント
チョコレートを常温保存する際は、劣化の原因となる温度変化や湿度を避けるため、以下のポイントに注意しましょう。(※6)
- 高温・多湿の場所を避ける
- 28℃以下の涼しい場所で保管する
- 生チョコやトリュフは10℃以下推奨なので室温に注意(冷蔵庫推奨)
チョコは以上の点に注意して常温保存をおすすめしますが、冷蔵庫でも保存できます。
夏場の暑い時期などは、冷蔵庫で保存すると高温対策ができるので良いですよね。
冷蔵庫で保管するときのポイントは、以下の通りです。
- 密閉袋に入れ、野菜室で保存する
- 食べる分だけを取り出して食べる
冷蔵保存する際は臭い移りを防ぐため、密閉袋に入れましょう。
冷蔵庫の保存場所は温度が高めに設定されている野菜室にすること、食べる際に室温との温度差を少なくすることも大切です。
食べる際は必要な分だけを取り出し、室温に戻してから食べましょう。
15〜30分程度室温に戻すと、チョコ本来の美味しさが味わえます。
でも、固めの食感が好きな人は、冷蔵庫から取り出してすぐ食べても良いですよ。
ちなみにチョコの冷凍保存については、どのチョコレートメーカーでも紹介されていませんでした。
風味が落ちて本来の美味しさを楽しめない可能性があるので、冷凍保存はあまりおすすめできません。
では次に、チョコの賞味期限が切れてしまった場合、いつまで食べられるのかをチェックしましょう。
賞味期限の切れたチョコはいつまで食べられる?
常温や冷蔵で保存した場合も、チョコのパッケージに記載された賞味期限までに食べるようにしましょう。
賞味期限が切れたチョコはすぐ食べられなくなるわけではなく、ネット上には1ヶ月や半年のほか、1年・2年・3年、ましてや10年後まで食べられるなどの情報もあります。
今日はこれ。
賞味期限切れシリーズ!
「チロルチョコ SEVEN CAFE」
美味い!美味い!美味い!
2世代揃い踏み!
それぞれ1年以上2年以上賞味期限切れてるけど、味、香り、色、形、all問題無し!
ぜんぜんムチャクチャ美味い!
(但し冷蔵庫で保存)#セブンスイーツアンバサダー#チロルチョコ#セブンイレブン pic.twitter.com/slYEG9GbhR— hayoge (@hayoge711) September 14, 2020
ただし、賞味期限を過ぎた商品は食べないよう呼び掛けているメーカーもあり、開封後にはなるべく早めに食べきるよう推奨しています。(※8)
賞味期限切れのチョコがいつまで食べられるかの明確な答えはありませんので、食べられるのかどうか迷った場合には前述した見分け方を参考にして判断しましょう。
チョコソースなどのチョコレート加工品の賞味期限についても、チョコと同じように考えてくださいね。
以上は市販のチョコレートの保存方法や賞味期限についてですが、生チョコや手作りチョコの場合は、保存方法や賞味期限が異なります。
生チョコ・手作りチョコの保存方法と賞味期限
バレンタインなどで手作りしたチョコや、生クリームが入ったトリュフ・生チョコなどは常温だと溶けやすいため、冷蔵庫で保存するのがおすすめです。(※9)
前述した冷蔵庫での保存方法と同じように、密閉袋に入れて冷蔵庫の野菜室を保管場所にして保存しましょう。
なお、生チョコやトリュフなどの生クリームが入った手作りチョコは2~4日、フルーツなどの生ものを使用したチョコは1~2日と賞味期限の目安が短いです。
チョコレートが腐る (劣化する) 前に!美味しく食べきるレシピ
チョコレートは前述したように劣化しても食べられる状態なら、溶かせば美味しく食べることができます。
チョコが劣化する前に食べきるのにおすすめのレシピを2つご紹介します。
チョコフォンデュもありっすよ( ˙-˙)スッ pic.twitter.com/QHqml3Iesb
— ドドドバァン・ユスクッ (1998~2020) (@zetsubo_sp) October 3, 2021
大量に余ったチョコも、チョコフォンデュならたくさん食べられますね。
ミルクに溶かして、ホットチョコレートにするのもおすすめです。
ホットチョコ作ってみた~
超うまそー♪ pic.twitter.com/OZZqiRD9Ur— 🌵🎠🌖🌈✟新宿のボブ✟▶️🍙😈💫 (@VYcnr) October 14, 2018
チョコと牛乳さえあれば、電子レンジで手軽に作れますよ。
ホットチョコレートにマシュマロを入れるのもおすすめです。
マショマロに含まれるアミノ酸やコラーゲンは、肌のハリやツヤを保つはたらきがあるので、女性には嬉しいですよね。
結論|チョコレートは腐る (劣化する) 前に早めに食べよう
チョコレートが溶けて劣化すると表面が白っぽくなったり、変形したりします。
劣化した状態でも賞味期限以内でカビが生えていなければ食べられますが、風味が落ちているのでなるべく早めに食べるのがおすすめです。
また、チョコレートを常温保存する際は高温・多湿となるのを避けた涼しい場所で保存し、冷蔵庫で保存する場合は野菜室で保存しましょう。
水分が多い生チョコなどは保存の仕方によっては腐る可能性があるため、冷蔵庫に保管して早めに食べることが大切です。
こちらの記事を参考に、チョコの美味しさを更に楽しんでくださいね。
参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。
※1 「チョコレートが変形していた」「白っぽく変色していた」ということはないですか?|株式会社 明治
※2 食品における最近のカビ苦情の特徴|大阪市立環境科学研究所
※3 カビ毒について|北海道立衛生研究所
※4 水分活性について|日本食品分析センター
※5 チョコレート類の表示に関する公正競争規約|全国公正取引協議会連合会
※6 チョコレートの保存方法|株式会社 明治
※7 賞味期限が過ぎてしまったものは食べられませんか。|森永製菓株式会社
※8 賞味期限の過ぎた物を食べても(飲んでも)大丈夫ですか?|雪印メグミルク株式会社
※9 手作りチョコの日持ちは何日?手作りトリュフや焼き菓子の賞味期限や保存方法|天満紙器株式会社
※10 チョコレートは体にいい?期待できる効能と適切な摂取量|Dandelion Chocolate Japan