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食材・料理のQ&A

食紅は体に悪いの?原料は何?体への影響と危険性・安全性を解説

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料理・食材
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食紅 体に悪い

【執筆者:編集部 井上ゆうこ】

食品添加物である食紅は体に悪いイメージがあるかもしれませんが、通常の食生活での摂取量で問題になることはまずありません

体への影響を考慮し、法律で安全性を担保する成分規格や使用基準が決められているからです。

この記事では、食紅を正しく理解・活用できるように以下の項目を説明します。

この記事を読むとわかる!
食紅のこと

 

  • 原料は何か
  • マイナスイメージの理由
  • 劣化を防ぐ保存方法
  • 余った場合の活用法

「鮮やかに着色された食べ物に危険性はないの?」と疑問に思っている人にはきっと役に立つ情報なので、最後まで読んでくださいね。

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食紅を体に悪いほど摂取する可能性は極めて低い

食紅 体への影響

食用の色素である食紅は、体に悪影響があると考える人もいますが、健康を損なう程摂取しないように法律で管理されているので、過剰な心配は不要です。

食紅が体に悪いと言われる原因
発がん性の疑い
子供に悪影響の疑い
着色料に対する誤解
アレルギー 過去に注消費者庁の注意喚起あり
食紅は何の一種?

食紅とは、食品の色を整える食用色素のことで、食品添加物の一種です。「紅」という漢字を使いますが、赤だけではなく青・黄などどんな色でも食紅と呼ぶのが一般的です。

ヨセミテ編集部・メモ
ヨセミテ
編集部
食紅は、クチナシやベニバナなど天然物が原料の色素と、石油から作られる芳香族炭化水素が主原料のタール系色素に大別されます。

合成着色料とも呼ばれるタール系色素は、特に体に悪いイメージを持たれがちで、使用を自主規制している生協も珍しくありません。

しかし、食紅の安全性は法律できちんと管理されています。

体への影響がない使用基準で安全性を保証

食紅を始めとした食品添加物は、食品衛生法によってルールが定められており、物質ごとに一日摂取許容量(ADI)が決められています。(※1)

一日摂取許容量(ADI)とは

人がその物質を生涯にわたり毎日摂取したとしても、健康への悪影響が出ないと推定される1日あたりの摂取量。

一日摂取許容量は、実験動物を用いた毒性試験で、有害な影響が見られなかった最大の投与量(無毒性量)を、更に安全を考慮するための係数(安全係数)で割って求められます。

一日摂取許容量 = 無毒性量 / 安全係数
ヨセミテ編集部・メモ
ヨセミテ
編集部
 物質ごとに、定められた一日摂取許容量を上回らないよう、厚生労働省が使用できる食品や、最大使用量を決めています。

厚生労働省は、実際に市販されている食品を分析するなどして、私たちの摂取している食品添加物の量も調査しています。

令和2年の調査でも、16種類の着色料の摂取量は、一日摂取許容量を大幅に下回っていることが確認されています。(※2)

もちろん、通常では考えられないほど大量に摂取すれば危険ですが、食紅に限らず私たちが普段料理にも使う塩でも同じことが言えます。

例として、急性毒性の指標とされる半数致死量を食紅と塩で比べてみましょう。

食紅と塩の半数致死量
半数致死量
(g/kg体重)
体重50kgの場合
(g)
食紅の例
(タール系)

食用青色
1号

2 100

食用赤色
102号

10以上 500

食用黄色
4号

12.75 637.5
8〜10 400〜500
半数致死量の値が小さいほど、毒性が強いことを示します。
半数致死量とは

ある物質を投与した実験動物の半数が、特定の日数内に死亡すると推定される量。通常、体重1kgあたりの投与量で表される。

ヨセミテ編集部・メモ
ヨセミテ
編集部
 中には、塩よりも急性毒性が低い食紅もあるくらいで、極端に食べ過ぎなければ危険性はありません。

着色料による発がん性・子供への悪影響など耳にしたことがあるかもしれませんが、正しく理解しておきましょう。

発がん性・子供の行動への悪影響・アレルギーの危険性はあるのか

食紅の中でもいくつかのタール系色素は、過去に体に悪いと取り沙汰されたことがあり、よくないイメージを持たれがちです。

発がん性や子供の行動への悪影響が話題になったこともありますが、現在は否定されていますし、通常の摂取量では健康に悪影響が出ないようリスク管理されているので、過剰な心配は不要です。

赤色2号に発がん性?(※3)

1970代、米国では発がん性の疑いから赤色2号が使用禁止になりました。しかしFAO/WHO合同の国際機関による再評価で、発がん性は認めらませんでした。

タール系色素の摂取で子供が多動に?(※4)

特定のタール系色素の摂取が子供の多動につながると話題になりましたが、その後EU、米国などによるリスク評価で因果関係はないと結論付けられています。

ヨセミテ編集部・メモ
ヨセミテ
編集部
食品に使用できる食紅は、原則として厚生労働省が指定したものだけで、安全性が確認されています。

アレルギーに関しては、2012年、消費者庁は、コチニール色素を含む化粧品や食品によって、かゆみなどの体調変化が現れた場合は、すみやかに医療機機関を受診するよう注意喚起を行いました。(※5)

ヨセミテ編集部・メモ
ヨセミテ
編集部
さらに、コチニール色素が原因と疑われるアレルギー症状が出た人は、同色素を含む製品を避けるように呼びかけました。
コチニール色素とは

中南米に生息するエンジムシから抽出する赤色の着色料。食品以外にも医薬品・医薬部外品・化粧品に幅広く使用されています。

ただ、その後、公的機関のコチニール色素アレルギーに対する見解は見つからず、消費者庁の注意喚起のページは削除されたという情報もあるので、現段階での正確な情報は明らかではありません。

念のため、思い当たる節がある人は下表の表示名を参考に、製品を選ぶ際に避けるのがいいでしょう。

コチニール色素の表示名の例
食品 ・コチニール色素
・カルミン酸色素
・着色料(コチニール)
・着色料(カルミン酸)
医薬品
医薬部外品
化粧品
・コチニール
・カルミン
・カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン
・カルミン被覆雲母チタン

食紅は基本的には安全ですが、なるべく摂取したくない人は、個人で気をつけるしかありません。

どうしても抵抗があるなら原材料表示を確認して摂取を回避

どうしても合成着色料を口にすることに抵抗や不安を感じる人は、商品の原材料表示を確認したり、天然物由来の色素を選んだりすれば、摂取量を抑えられます。

合成着色料の摂取量を抑えるポイント
市販品購入時 ・原材料表示を確認して避ける
・天然原料を使用した商品を選ぶ
・自主規制がある生協で購入する
家庭での調理 天然原料の食紅を使う
合成着色料は、原材料表示に「食用赤色◯号」・「 食用青色◯号」など、色と番号で記載されるので、すぐに見分けられます。
ヨセミテ編集部・メモ
ヨセミテ
編集部
外食では使用着色料を特定するのは困難かもしれませんが、家庭で食べる加工品なら、購入前に確認するのは簡単ですね。

家庭で料理やお菓子作りに使うなら、紫芋やカボチャなど、通常食べる野菜から作られた色素を選ぶのもいいでしょう。

購入しても余りがちな食紅は、傷まないように保管することが大切ですが、使い切れないなら料理以外に活用するのがおすすめです。

食紅の保存方法と使い切れない場合の活用法

食紅 安全性

食紅の劣化を防ぐには、密閉・遮光して冷暗所で保存するのが基本ですが、開封後は冷蔵保存もおすすめです。

食紅の正しい保存方法
常温 ・直射日光・高温多湿を避ける
・開封後は蓋を閉めて密閉
冷蔵 ・開封後は蓋を閉めて密閉
・密封容器に入れる
・密閉袋に入れて空気を抜く
冷凍

食紅の多くは常温保存可能ですが、冷蔵すればより劣化を遅らせられます。

とはいえ、一回に使う量が少ないので長期間使い切れないこともありますよね。

そんな時は、食品の着色だけでなく子供の遊びに活用するのもおすすめです。

食品の着色で使い切れない場合は色水・スライム作りにも

余った食紅は、色水遊びやスライム作りに使うとまた違った楽しみ方ができますよ。

特に、鮮やかに発色する合成着色料は向いています。

ヨセミテ編集部・メモ
ヨセミテ
編集部
各色揃えなくても、赤・青・黄の三色があれば、混ぜ具合でほとんどの色を作ることができますよ♪

スライム作りは色だけでなく感触も楽しいので、ぜひチャレンジしてみてください。

食紅で着色すると、絵の具よりも透明感があるキレイなスライムが作れますよ。

食紅は基本的に口に入れても問題ないので、大量に飲んだりしないようにだけ見守ってあげれば、小さなお子さんでも安心して遊ばせられますね。

結論|食紅は体に悪いと過剰に心配する必要はない

食紅のまとめ
  • 通常の摂取量であれば体に悪い影響はほぼない
  • 摂取を避けたい場合は商品の「原材料」表示を確認
  • 合成着色料に抵抗があるなら天然着色料を選択
  • 正しく保存して劣化を防止
  • 子供の遊びにも活用できる

食紅は、安全を確保した上で使用されていますが、摂取したくない人はなるべく避けることも可能です。

栄養的には積極的に摂る理由はありませんが、食品の見た目を整えるという点で食生活を豊かにしてくれているので、上手に付き合っていきたいですね。

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