隣人の騒音を注意したら仕返しで電磁波攻撃？嫌がらせの対処法

【執筆者：ヨセミテ編集部】

騒音を注意した隣人に嫌がらせで電磁波攻撃されることは、まず考えられません。

一般人は、人体に悪影響があるほどの電磁波を発生させられないからです。

電磁波攻撃の証拠集めをするのも、時間やお金の無駄になる可能性があるのでおすすめしません。

この記事では、隣人の電磁波攻撃を疑う状況を、以下の項目に沿って検証していきます。

騒音を注意した仕返しで電磁波攻撃されていると悩んでいる人は、解決の糸口が見つかるかもしれないので、ぜひ参考にしてください。

隣人の電磁波攻撃は非現実的｜騒音注意への仕返しには使えない

隣人の嫌がらせの手段が、電磁波攻撃である可能性はまずありません。

情報通信行政を担う関東総合通信局は、電磁波攻撃できる機械や装置はないと明記しています。

日常の生活空間で人体に影響を与える電波はありません。また、人体を攻撃する電波（機械や装置）はありません。

引用元：Q4：電波で人体を攻撃できますか？ | 行政相談FAQ（その他）（総務省 関東総合通信局）

そもそも、電磁波とは何なのか、簡単に理解しておきましょう。

身近で利用されている電磁波｜周波数によって異なる用途

電磁波とは、電界と磁界が影響し合いながら、空間を遠くに伝わる波ようなものです。

電磁波は、波の振動の速さ（周波数）によって性質が異なり、それぞれの用途に応じて利用されています。

電磁波の種類と用途の例（※1）

周波数	種類	用途
高 ↑ ↓ 低	γ（ガンマ）線	ガンマ線（放射線）治療
	X線	レントゲン検査
	紫外線	・殺菌灯 ・日焼けサロン
	可視光線	光学機器
	極超短波(UHF)	・テレビ放送 ・電子レンジ
	短波(HF)	ICカード
	長波（LF)	・IH調理器 ・船舶
	超低周波(ELF)	・家電製品 ・送電線

しかし、電磁波を浴びると体に悪影響が出るのでは、と不安に感じる人もいるかもしれませんね。

短期的・長期的な体への影響

電磁波の体への影響は、科学的に明らかなものと、確実な証拠がないものがあります。

電磁波の健康への影響（※2）

健康への影響	科学的立証	具体的な影響
短期的な影響	あり	神経・筋肉などへの刺激
長期的な影響	なし	・小児白血病との関連 ・がん・生殖・遺伝子など への影響

短期的な影響として、非常に強い電磁波を浴びると体内で電流が発生し、神経や筋肉が影響を受け、健康に悪影響が出ることが分かっています。

長期的に電磁波を浴びた場合、健康に悪影響が出るという確実な証拠はありません。

一方で、確実に影響がないという証拠もないので、更なる実験や研究が続けられています。

電磁波は日常的に利用されており、現代の生活から完全に排除することは不可能です。

通常の生活で浴びる電磁波に関しては、過度に恐れず付き合うのが現実的でしょう。

嫌がらせの証拠集めは無意味な可能性大

電磁波は測定できるので、調査会社に依頼すれば発生場所や発生原因を特定できるかもしれません。

しかし、そもそも人を攻撃できるほどの電磁波を一般人が発生させることはできないので、電磁波攻撃の証拠集めは徒労に終わる可能性が高いでしょう。

隣人の嫌がらせを疑っているなら、電磁波以外の原因がないか考えてみましょう。

電磁波以外で不快に感じる可能性のある原因と対処法

隣人が何らかの嫌がらせをしていると感じるなら、電磁波以外の原因を考えた方が、問題解決につながる可能性があります。

不快感や不調の原因が、電磁波ではなく騒音の可能性はないでしょうか。

騒音が聞こえている可能性

継続的な騒音は、ストレスを感じさせます。

ネット上には、モスキート音での嫌がらせや仕返し専用のスピーカー、追い出し屋の情報も出回っていますが、隣人がそれらの方法を使っているかは分かりません。

自分の出す生活音に気付いていないだけの場合もあるので、嫌がらせだと決めつけるのは控えましょう。

話し声や足音など、生活する上で出る音を規制する法律はないので、当事者間での話し合いや、管理組合・管理会社・大家さんへの相談が解決への第一歩です。（※4）

相談前には、騒音計で測定して客観的な事実を示すのも有効です。

自治体で貸し出している場合もあるので、事前に問い合わせてみましょう。

近年苦情が増えている低周波音は、一般的な騒音とは違った影響を受けることも示唆されています。

屋外からの低周波音｜まれに心理的悪影響が出ることも

騒音の一つである低周波音は、心理的な影響を与えることがあると考えられています。

低周波音は、大きな音・うるさい音と感じることは少ないのですが、イライラ・集中力を削ぐ・気分が悪くなるなどの心理的・感覚的な影響が出ることがあります。

ただし、対策が施されている場合も多く、問題となるような低周波音が発生することは稀です。

環境省は、低周波音の影響が疑われる場合に原因を調べるチェクリストを公開しているので、参考にしてください。（※5）

低周波音の相談窓口は自治体の環境担当なので、必要に応じて対応をお願いしましょう。

低周波音の感じ方には個人差も大きく、思い込みでストレスを溜めている場合もあります。

自身の体調不良の可能性

低周波音の苦情を調査した結果、本人の耳鳴りが原因だった事例もあるようです。

騒音が聞こえる場所から遠く離れても音を感じるなら、耳鳴りや体調不良も疑いましょう。

専門医に診てもらうことで解決につながるかもしれません。

結論｜隣人の騒音注意の仕返しは電磁波以外を疑おう

電磁波攻撃は現実的に無理なので、怖がる必要はありません。

とはいえ、隣人の仕返しを疑って体調がすぐれないのは辛いものです。

電磁波以外の原因を考えたり、お医者さんに診てもらったり、多方面から解決策を探りましょう。

ご近所トラブルでさらに辛い状況を避けるためにも、相手に伝える場合は第三者に関わってもらい、穏やかに解決してくださいね。