【執筆者:編集部 新山あさひ】
「普通免許で125ccバイクに乗れるようになる」という噂は事実ではなく、現段階ではそのような予定はありません。
ほかにも「原付に乗れなくなるのはいつから?」「普通二輪免許の排気量引き上げはあるの?」などバイクの免許に関する噂話がありますが、どれも不確定な情報です。
しかしこうした話が広がったのには理由があり、まったくの事実無根ではありません。
そこでこの記事では、バイクにまつわる法改正について紹介します。
125ccバイクのこと
- 普通免許で運転できるバイクは何ccまでなのか
- 免許区分は見直しされるのか
- どうして噂が広がったのか
- 原付やバイクの運転に必要な免許
普通免許で運転できるバイクは何ccまでか、125ccバイクに乗るために必要なのはどんな免許なのかといった疑問も詳しく解説します。
目次
普通免許で125ccバイクに乗れる日はいつから?何㏄まで乗れるか
現時点では普通自動車免許で運転できるバイクは50cc以下の原付だけで、125ccバイクを運転するには二輪免許の取得が必要です。
運転免許の法改正も予定されていないので、いつから普通免許で125ccバイクに乗れるようになるかはわかりません。
とはいえ「運転免許の区分が変わるかもしれない」という噂があるのも事実で、法改正を期待する人も多くいるようです。
2025年に普通免許.原付免許で125ccバイク乗れるの本当?
— Blue🌴 (@ggggggg19983) March 7, 2023
こうした噂が広がったのは、バイクに関する規制強化の影響があります。
噂のもとになったのは規制強化の法改正
大気汚染や地球環境への悪影響を抑えるため、バイクからの排出ガスに関する法律が改正されて2020年12月から順次適用されはじめています。
これによって新しい基準をクリアできないバイクは販売できなくなるため、運転免許制度にも影響があるのでは?と憶測が広がりました。
ガソリン直噴車へのディーゼル車等と同水準のPM排出量規制の導入、二輪車の排出ガス規制強化等のため、関係告示等を改正し、新型車については2020年12月から、継続生産車 (一部を除く)については2022年11月から適用します。
新基準をクリアするために改良された車種がある一方で、さまざまな事情から改良を断念して生産終了した車種も多くあります。
50ccの原付については2025年まで猶予期間がありますが、排気量の少ない小型車はとくに対策がむずかしく、莫大なコストがかかるため50ccバイク自体がなくなるかもしれないと心配されています。
免許制度改正の噂は、2025年に迫っている法改正に向けてバイク業界が問題解決へ動き出したのが発端となっているようです。
今後どのような変化が予想されるのか、現在の原付一種と二種の違いもあわせて確認していきましょう。
原付免許の排気量引き上げはあるのか|50ccと125㏄の違い
運転免許の区分について現段階ではなにも決まっていないので、今後どのように変わっていくかわからない状況です。
しかし2025年の排気ガス規制に関する法改正までには、新しい動きがあるかもしれません。
バイク業界としては、125ccバイクを制御して50ccの原付として扱えるように目指したいと考える人もいるようです。
ここまで一般のバイク利用者から排気量引き上げを望む声が多くあがる理由は、50ccと125ccのバイクでは法定速度など法律に違いがあるからです。
50cc | 125cc | |
---|---|---|
免許 | ・普通免許に付帯 ・原付免許 |
小型限定二輪免許以上 |
法定速度 | 30km/h | 60km/h |
二人乗り | × | 〇 ※免許交付1年後から |
交差点 | 二段階右折 | 規制なし |
50ccは気軽に乗れる一方で、速度制限が30km/hまでで車の流れに乗りづらく、交差点での二段階右折が義務付けられているなどの制限が設けられています。
こうしたわずらわしさから原付免許の排気量引き上げを望む声もある一方で、扱い方の違いから危険性を心配する声もあります。
125cc原付免許になるの!?
乗りたいなら覚悟が必要ですよ。
手前の黒い方は125ccだけどこんなにデカイし、最高速でぬぬわkmまででたよ。
原付原付と侮ってたり、自転車感覚で乗ると死ぬよ⭐︎ pic.twitter.com/sL2UbycQ63— ゆりのき (@treeoflily) December 22, 2022
法改正されるとなれば、こうした安全面の課題も議論されていくでしょう。
また原付免許だけでなく、400ccまでのバイクが運転できる普通二輪免許の排気量を600ccまで引き上げてほしいという要望もあります。
今後全国的に120km/hになりそうなら普通二輪免許で600ccまでOKにして欲しい。
— YLog_690EnduroR (@YLog_GSR) January 31, 2019
現時点では具体的になにも決まっていませんが、改正法が完全施行される2025年に向けて今後話し合いが進みそうです。
今回の排気ガス規制に関する法改正で、普通免許で50ccの原付バイクに乗れなくなるかもしれないと思っている人もいるようですが心配はいりません。
「普通自動車免許で原付に乗れなくなる」という噂の真相
自動車免許や原付免許で50ccバイクを運転できなくなると噂されていますが、免許区分の変更はないので乗れなくなるわけではありません。
50ccバイクでは新しい基準のクリアがむずかしいため、このままでは販売できなくなるかもしれないという考えから話が広がったようです。
運転免許改正は今のところなく、すでに50ccバイクを所持している人であれば今までと変わりなく乗れます。
原付バイクの噂についてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね!
詳しくはこの記事をチェック!
今125ccバイクに乗りたいと考えている人は、原付免許ではなく二輪免許を取得しましょう。
バイクの運転に必要な免許|原付は普通自動車免許に付帯
125ccバイクの運転には小型二輪免許以上の取得が必要で、大型免許になるほど乗れるバイクの選択肢が増えます。(※1)
原付一種 (~50cc) |
原付二種 (51~125cc) |
|
---|---|---|
原付免許 | 〇 | × |
普通自動車免許 | 〇 | × |
小型限定普通二輪免許 | 〇 | 〇 |
普通二輪免許 | 〇 | 〇 |
大型二輪免許 | 〇 | 〇 |
50cc以下の原付を運転するなら、普通自動車免許を取得すれば付帯しています。
また原付免許の場合、講習なしで学科試験を受けるだけなので比較的手軽に取得できます。
一方125ccバイクになると、免許を取得するには自動車教習所での講習と試験が必要です。
二輪免許は教習所に通わず運転免許試験場でダイレクト受験もできますが、その場合は実技試験が追加されます。
二輪免許の取得にはどれくらいの時間が必要か、確認してみましょう。
免許取得に必要な日数|小型限定普通二輪免許なら最短2日
125ccバイクに乗るための免許は、AT限定小型二輪免許なら最短2日で卒検まで進めます。
これまでは最短でも3日必要でしたが、2018年に法改正されて一日に受講できる技術教習の時間が増えたためより短い期間で免許を取得できるようになりました。(※2)
普通免許ありの人には優遇措置があり、教習時間の短縮や学科試験が免除されています。
免許なしや原付免許のみの人は教習時間が上乗せされ、その分免許取得までの時間も長くなるので注意しましょう。
また、今後250ccや400ccのバイクにも乗ってみたいと考えている人は、はじめから普通二輪免許を取るのがおすすめです。
125ccバイクに乗るなら普通二輪免許取得がおすすめ
将来的にもっと大きいバイクに乗りたいのであれば、小型二輪免許ではなく普通二輪免許を取った方が費用や時間の負担が少なく済みます。
限定解除してより大型のバイクに乗れるようにするためには、もう一度教習所に通ったり運転免許試験場で試験を受けたりしなければいけません。
費用は教習所によって違いますが、ある教習所では小型二輪車と普通二輪車(どちらもAT限定)の免許取得費用の差額が3万円程度なのに対して限定解除には約7万円必要になります。
- 小型二輪車:約8万円
- 普通二輪車:約11万円
- 限定解除:約7万円
余裕があるならはじめから普通二輪免許にチャレンジしたほうが、時間も金銭面も負担が少なくて済みそうですね。
普通二輪免許の教習内容は、ポイントがわかりやすくまとまっているこちらのような参考書で見るとわかりやすいですよ。
125ccで十分だと思っていても、乗りはじめるともっと大型のバイクに乗ってみたいと思う人も多いようです。
お金や時間にゆとりがあれば、普通二輪免許にもぜひ挑戦してみてください。
結論|いつから普通免許で125ccバイクに乗れるかの議論はまだ
- 現時点で普通免許や原付免許で125ccバイクには乗れない
- 普通免許で運転できるのは50ccまでの原付バイク
- 排気量引き上げされるかは未定
- 125ccバイクは二輪免許が必要
- 小型二輪免許なら最短2日で取得
「普通免許や原付免許で125ccバイクに乗れるようになる 」という話は噂にすぎず、現状では50ccまでの原付しか運転できません。
しかし排気ガス規制強化の法改正の影響で50ccバイクの存続が危ぶまれているため、今後免許の区分が再編される可能性は十分あります。
今はまだ運転免許制度の法改正は予定されていないので、これから125ccバイクに乗りたいと考えている人は小型二輪免許以上の運転免許を取得しましょう。