【執筆者:編集部 今冨るみ子】
国家一般職で受かりやすい官庁は、受験者が少なかったり内々定辞退者が多い不人気のところがねらい目です。
官庁訪問で人気のところは落ちる可能性もありますが、こだわりがなければ採用漏れは少ないようです。
この記事では、国家一般職に受かるために知っておきたいことや倍率、人気官庁の難易度について紹介します。
- 特徴や傾向
- 官庁訪問で全て落ちる可能性
- 人気でホワイトな官庁
- 倍率と難易度
「狭い範囲での転勤」や「地元に職場がある」などのホワイトな官庁を狙っている人にも読んでほしい内容です。
目次
国家一般職の受かりやすい官庁はこだわらなければある
国家一般職で受かりやすい官庁は、「採用人数が多い」「定員割れする」ところがねらい目です。
受験者が少ない不人気官庁はねらい目 | 採用人数が多いところも
採用人数が多い、受験者が少ない、内々定の辞退者が多い官庁は、受かりやすいと言えます。
- 法務局(法務省)
- 都道府県労働局(厚生労働省)
- 東京税関(財務省)
法務局は人気の官庁ですが、採用人数も多いので受かりやすいようです。
受験者数が少なかったり内々定辞退者が多かったりする官庁は、定員に満たないため受かりやすいです。
全国転勤があったり、イメージが悪かったりする官庁は人気がないようですが、なかには知名度が低くあまり知られていないところや仕事内容を勘違いされている場合もあります。
事務官は、国家総合職か国家一般職の合格者です。筆記試験が必要で、普通はマーチ以上の学力が必要。
自衛隊員は、防衛大卒か、一般の大学や高校を卒業し、入隊できます。— kokorokokoro (@kokoro_eco) March 28, 2022
不人気の官庁は人員を揃えなければならないため、訪問していなくてもスカウトの電話がかかってくることもあるようです。
そのため、試験に合格して、かつこだわりがなければどこかに就職先が決まる人が多いです。
官庁訪問でまだ内々定をもらってなくても落ちる可能性は低い
人気や希望していた官庁に落ちても、定員割れのところからスカウトされることがあるので、こだわりがなく人間的によほどの問題がなければ、全て落ちる人は少ないとされています。
国家一般職の官庁訪問で未だNNTの方へ。
こっぱんは例年採用漏れがほとんどいないと言われています。秋〜冬に内定を出してくれる出先機関もあるので、諦めずに各省に問い合わせましょう。— KomuInfo|公務員や公務員試験に特化したWebメディア (@KomuInfo) August 23, 2018
採用面接のスカウトが来た官庁なら、内定をもらえる可能性が大きいと考えてよいでしょう。
成功する可能性は低いかもしれませんが、何かのきっかけで内定にいたることもないとは限りません。
国家一般職は、試験に合格すれば就職先が決まるシステムではないので注意が必要です。
試験前からの官庁訪問が影響する
国家公務員の一般職は、最終合格さえすれば就職先が決まるわけではなく、本省と受験区分ごとの出先機関に官庁訪問をして、内々定をもらう必要があります。
官庁訪問のスケジュールは、大卒と高卒程度では少し違いますが、おおよそ次の通りです。(※1)
①受験申込
②1次試験
③1次試験合格発表
④官庁訪問
⑤2次試験
⑥最終合格発表
⑧採用面接(内々定解禁)
⑨採用
人事院のHPでは上記のスケジュールになっていますが、1次試験の前後に各省庁が開くイベントや業務説明会に行くことが重要で、内定に影響すると言われています。
とくに、筆記試験が終わったあたりからの個別業務説明会は、採用担当者と個別で話す機会がありかなり重要です。
まずは1次試験を突破しましょう。
とくに人気のある官庁は試験に合格することはもちろん、事前の準備が大切です。
国家一般職の人気官庁はホワイトな待遇
国家一般職で人気のある官庁は倍率が高いことが多く、受かりにくいと言えます。
「残業が少ない」「転勤がない・または狭い範囲」「地元に勤務地がある」など、ホワイトな官庁が人気です。
- 法務局
- 労働局
- 経済産業局
- 税関
- 検察事務官
その年によって変化はあるようですが、令和4年度の出先機関の人気ランキングは次のようになっているようです。
※拾い物
令和4年度国家公務員一般職出先機関人気ランキング
S:人事院、経済産業局
A:通信局、行政評価局、公正取引委員会
―――――――――
B:厚生局、税関、検察庁、労働局(基準)
C:法務局、労働局(安定) 、警察局、防衛(部隊系)、農政局、公安調査庁、地方整備局、地方運輸局— MAHⅠR0@1年後に社会教育士になるアーニャ (@rakusaimotto) September 19, 2022
転勤が同一県内の狭い範囲の官庁は人気の傾向にあります。
官庁訪問でも人気と言われる法務局
事務職で大量採用、各都道府県に勤務地があることから、法務局は一番人気があるようです。
転勤はあるのですが、同一県内での転勤が基本のため、国家一般職の中ではホワイトな職場と言えるでしょう。
基本的に狭い範囲での転勤の官庁はほかにもあります。
狭い範囲の転勤でホワイトとされる労働局
国家一般職の労働局の就職先は基本的に「ハローワーク」です。
全国転勤ではなく、基本的に定着局内の労働局・ハローワーク・労働基準監督署を異動する形態なことも人気の理由の一つです。
人気官庁は超難関なところもあります。
超難関の経済産業局
経済産業局は地方の出先機関がないので「転勤がほぼない」「ほかの官庁に比べると残業が少ない」なども人気の理由の一つのようです。
ただ、2年間ほど経済相本省での東京勤務があります。
イメージがいいことで人気の官庁もあります。
イメージがよく人気の税関
税関に採用されると空港や港で働くことになります。
転勤は管轄内なので全国ではありませんが、税関によってはかなり遠方に赴任することになるので、注意が必要です。
ほかの国家一般職より給料が高くて人気な官庁もあります。
給料が高い検察庁
検察庁は法務省の機関で、国家一般職は「検察事務官」として勤務することになります。
採用人数が多く、「公安職と同じ俸給表なので給料が高い」、「ドラマのイメージが良い」などが人気の理由のようです。
国家一般職の中には、転勤が少なかったり範囲が狭かったりなど働きやすいところは確かにありますが、決して楽な省庁はないことは心得ておきましょう。
ホワイトで人気の官庁は難易度も高いです。
人気省庁の倍率と難易度
2022年度の国家一般職の倍率は次の通りです。(※2)
高卒程度 | 2022年度 | |
---|---|---|
申込者数(人) | 9624 | 28103 |
合格者数(人) | 3333 | 8156 |
倍率(倍) | 2.8 | 3.4 |
なかでも超難関とされる官庁は次の通りです。
- 会計検査院
- 内閣府(本府)
- 内閣府(宮内庁 本庁)
- 内閣府(金融庁)
- 内閣府(消費者庁)
- 内閣府(皇宮警察本部)
- 法務省(大臣官房秘書課)
- 経済産業省(本省)
- 内閣府(警察庁)
- 総務省(統計局)
- 法務省(関東公安調査局)
- 海上保安庁(本庁)
- 農林水産省(本省)
- 国土交通省(本省)
- 環境省(本省)
- 防衛省(情報本部)
どうしても国家一般職に就きたいなら受かりやすい官庁を選ぶのもいいですが、全国転勤やハードな仕事がつきものなので、最終的にはやりがいのある自分に合った官庁を選ぶことが大切です。
国家一般職の仕事についてはこちらで詳しく書いてあります。
詳しくはこの記事をチェック!
結論 | 国家一般職で受かりやすい官庁はある|こだわらなければ内定
- 不人気官庁は受かりやすい
- 採用漏れは少ない
- 早めの官庁訪問が大切
- ホワイトな待遇は人気
- 受かりやすいより合うかどうか
国家一般職は人気のない官庁を選べば受かりやすいと言えます。
こだわりがなければ、試験に合格さえすれば採用漏れも少ないです。
しかし、受かりやすいよりは自分に合っているのか、その仕事をしたいのかで選べたほうがよりいいですね。