宅急便の送り状を記入する時、『品名』という欄の書き方をいつも迷います。
「なぜ知らない人(宅急便業者さん)に荷物の内容まで明らかにする必要があるの?」と思ってしまうからです。
そんな私が『品名』の欄によく書くのが、「雑貨」です。
ところが先日、宅急便の受付のお姉さんに「雑貨の内容をおしえて下さい。」と言われました。
「色々な種類の品物を入れているから雑貨なのに!」と思いましたが、宅急便の品名はどんな書き方が正しいのでしょうか?
今回は宅急便の送り状に書く品名の書き方について、詳しくご紹介します。
- 宅急便の品名欄にはどう書いたら良い?具体的な品名の書き方とは?
- 宅急便の品名の書き方:NG例とOK例
- 宅急便で送れない品目もある!
- スーツケースは品名にどう書く?国際宅急便の場合はどうする?
ちなみに、私が色々な種類のものを詰め込んだ荷物の中身は、友達の子供へのおさがりでした。
おもちゃ、衣類、せともの、などごちゃまぜです。
最終的には、宅急便の品名の欄に「衣類、おもちゃ他ワレモノあり」と書いて、宅急便業者に引き受けてもらうことができました。
宅急便では、”どんなものでも配送してくれる”というイメージがあるだけに、
- 品名を書くことで宅急便業者は何を知りたいのか?
- 品名を詳しく書くことで何かメリットはあるのか?
その辺も探りながら徹底調査してみます!
目次
宅急便の品名の書き方一覧!具体的な例を紹介します
複数の種類のものを箱に詰めて送る時、品名の欄に書く上手い言葉が見つからないということがあります。
そこで、具体的な品名の書き方を一覧にしてみました!
宅急便の品名の具体的な書き方とは?NG例とOK例を詳しく紹介
宅急便の品名の欄に書くべきことは、基本的に品名と素材名です。
宅急便業者は品名の欄を見て、安全、確実に配送するにはどうすればいいかを判断してくれます。
- 割れない(壊れる)かどうか?
- 液漏れするかどうか?
- 腐るかどうか?
- 危険物かどうか?
これらの内容がひと目でわかるように品名欄に記載しなければいけません。
具体的に宅急便の品名欄にはどのような書き方が適しているのか確認してみましょう!
取扱に気をつけてほしい品物に書き加える言葉
宅急便の品名欄はこのようになっています。
特に取り扱いには注意してもらいたい品物を送る場合には、以下の言葉を書き加えましょう。
ワレモノ | 壊れやすい品物なので優しく取り扱ってもらうため |
なまもの | 災害などのトラブルで配送が遅れる場合などに適切に対応してもらうため |
ワレモノとなまものについては、◯で囲むだけでOKです。
この他に、必要に応じて以下の内容も書き加えておくと、注意して取り扱ってもらえます。
精密機器 | 機器が壊れないように優しく取り扱ってもらう必要があるため |
下積厳禁 | 積み重ねた荷物の下に置かれると壊れる危険性があると知らせるため |
天地無用 | 上下さかさま、横にするなどのように積み荷されると、壊れたり、液漏れしたりする危険性があると知らせるため |
このように、複数の項目を書き加えておくと、細心の注意を払って取り扱ってもらえます。
宅急便の品名欄の具体的なNG例とOK例
NG例・「電子機器」
「電子機器」だけでは、配送上の配慮や損害賠償額が予想できません。
以下のような具体的な品名を記載するようにしてください。
OK例:パソコン、携帯電話、デジカメ、タブレット、ゲーム機、モデムなど
特に丁寧に取り扱ってもらいたい商品なので、「精密機器・下積厳禁」などを追記しても良いでしょう。
*ヤマト運輸では、パソコンなどの精密機器の場合は、『パソコン宅急便』というサービスがあります。
専用の梱包資材を使って、安全に配送してもらうことができます。
NG例・「ロレックス時計」「エルメス財布」
いかにも高級なものだとわかるため、盗難の危険性があります。
ブランド名は余計な情報なので、品名欄には記載しないようにしてください。
OK例:時計、財布など
NG例・「日用品」
「日用品」だけではあまりにも商品群の範囲が広すぎるため、運ぶ際に配慮が必要かどうかがわかりません。
具体的な商品を記載することがポイントです。
OK例:洗剤、シャンプー、洋服など
NG例・「食器」
「食器」だけでは素材不明で、配送上の特別な配慮が判断できません。
具体的な素材を記載するのがポイントです。
OK例:ガラス製食器、陶器、プラスチック容器など
NG例・「食品」
「食品」だけでは腐る、液漏れするなどの危険性があるかどうかわかりません。
OK例:クッキー、箱入りチョコ、インスタントコーヒー、レトルトカレーなど
※夏場は「チョコレート」と記載すると品質の補償はできないと言われる場合があります。
料金は通常よりアップしますが、クール便(冷蔵)で指定するなどの対応が必要になります。
NG例・「酒」「化粧品」
「酒」の場合はアルコール度数によって引火するリスクがあるため、アルコール度数も記載するのがポイントです。
「化粧品」についても、化粧水などにアルコールが含まれている場合があるため、具体的な商品名やアルコール度数の記載を求められる場合があります。
アルコール度数が25度を超えるものは航空便では輸送不可となります。
OK例:ビール(アルコール5%)、日本酒(アルコール15%)、ワイン(アルコール13%)、化粧水(アルコール25度以下)など
NG例・「お土産」
中身を知られずに送りたいという気持ちもわかりますが、お土産は品名ではありません。
具体的な品名を記載しましょう。
OK例:木彫りの置物、紙製のお面など
NG例・商品記号のみ
記号だけでは品名不明で、配送可能かどうかが判断できません。
具体的な商品記号だけでなく、品名や素材名を記載しましょう。
OK例:商品記号+品名と素材名など
OK例とNG例をご紹介しましたが、OK例ではアルコール度数まで書くなど、ちょっと面倒と感じる部分もあります。
サプライズプレゼントなどのように、詳しく中身を書きたくない場合もあります。
そんなときは、こんな裏技を使ってみて下さい。
品名を書きたくない時の裏技!航空便と陸送を使い分ける
航空便の場合は、航空機に乗せて危険な可能性のある荷物は引き受けてもらえないので、品名はきちんと書く必要があります。
陸送の場合は品名をざっくりした記入しただけでも受け付けてもらえることが多々あります。
サプライズプレゼントのときは、品名に”プレゼント”とだけ記入しても受け付けしてもらえることがあります。
航空便では受け付けてもらえないものも、陸送だと発送可能なことがあります。
化粧水やお酒などのアルコール度数が心配なものは日数はかかりますが、陸送で発送しましょう。
どうしても品名を無記入にしたいものや曖昧にしたいものも陸送にしましょう。
航空便では品名無記入はNGですが、陸送に切り替えて配送してくれることがありますが、日数は多くかかります。
航空便では荷物をエックス線検査されることがあります。
陸送に切り替えされずに、荷物を開封して中身を確認する、送り返す等の連絡が入ることもあります。
裏技をご紹介しましたが、陸送、航空便どちらを利用するにせよ、こんなことを考えて頂けると幸いです。
品名を適切に書く目的は、宅急便業者に向けたものだけではありません。
受取人にとっても、荷物を受け取った時点で壊れやすいものか、早く開封した方がよいかなどがすぐに判断できるという目的もあります。
ぜひわかりやすく、適切に記入して頂ければと思います。
宅配便の補償について
各宅急便業者では、配送する荷物が高額、壊れやすいなどの場合は任意で運送保険に加入することができます。
荷物1配送につき1回限りの掛け捨て保険で、保険料は自己負担となります。
最低掛け金が50円で、10円につき1万円が補償されるのが一般的です。
補償があると安心ですね。
私も以前に洗濯機を発送する際に、保険を進められて加入したことがありました。
ただし、下記のような場合には補償がされない事もあります。
- 天災などの不可抗力で発生した配送事故や配送遅延の場合
- 保険を申請した荷物の内容と、実際の荷物の内容が違うとき
- 荷物が自然に消耗する、さびるなどの性質だった場合
- 荷造りに不備があった場合など
次に、宅急便では発送できないものをご紹介します。
無理矢理送ってしまいたくなるものもありますが、注意が必要ですよ!
宅急便では発送できない品目もある!品名を書くときの注意事項は?
冒頭でもお話ししましたが、私は宅急便は何でも配送してくれるというイメージを持っています。
ペットなどの生き物や、爆発など明らかに危険なものはさすがにムリだろうなとは思いますが・・・。
今回宅急便の品名について調査していくと、発送できない品目もあることがわかりました。
各宅急便業者で発送できないものをまとめましたので、ご紹介します。
宅急便で発送できないもの
現金類
具体的には、現金、小切手、手形、商品券、クレジットカードなど、現金と同じ役割をするものです。
ヤマト運輸などで品名に「商品券」などと記入すると引き受けてもらえません。
このようなものを送りたい場合には、日本郵便の現金書留、簡易書留、ゆうパックなどなら送ることができます。
追跡、直接受け取りなどのサービス内容と料金を考えると、簡易書留をおすすめします。
*現金だけは現金書留以外では郵送することができないので、現金を送るコストを安くしたい場合は銀行振込をおすすめします。
再発行が困難な書類や信書
具体的には、受験票、パスポート、車検証などの個人が特定できる上に再発行が難しい書類と信書です。
豆知識:信書とは?
確定申告書、免許証、住民票、領収書、納品書などです。
受取人が特定されていて、差出人が受取人に対して特定の事柄を通知したり証明したりしている文書のことです。
このようなものを送りたいときには、日本郵便の定形・定形外郵便、レターパック、スマートレターなどなら送ることができます。
宅急便業者でも、信書を配送するサービスをしています。
- 佐川急便の飛脚特定信書便
- 西濃運輸のカンガルー信書便
- 日本通運の特定信書便 など
ペット
宅急便でペットを送ることはできません。
ヤマト運輸関連だと、ヤマトホームコンビニエンスで生物輸送の専門業者と提携していて、ペットを安全に送ってもらうことができます。
毒物や劇物、刀などの危険物
輸送途中で人命や他の荷物に危険が及ぶものは、専門業者に依頼することになります。
遺骨、位牌など
ほぼすべての宅急便業者で配送できませんがゆうパックでは発送可能です。
ゆうパックであっても、海外に送ることは一切できないことに注意が必要です。
30万円を超える価値のあるもの
美術品やブランド品など、30超える価値のある高級品は、宅急便で配送してもらえません。
例えば美術品や文化財のようなものだと、専門の宅配業者もありますが、ヤマト運輸の「美術便」のように梱包から請け負ってくれる美術品専門スタッフを用意している場合もあります。
大きな荷物
各宅急便業者で、宅急便の範囲で配送できる荷物の大きさが決まっています。
例えばヤマト運輸では荷物の3辺合計が160cm、重さ25kgを超える荷物は宅急便で送ることができません。
大きな荷物は『ヤマト便』となり、料金が高くなります。
その他
不潔なものなど、他の荷物に悪影響があるものは発送できません。
常識の範囲内で判断できるとは思いますが、不安な場合は宅急便業者に直接相談してみることをおすすめします。
品名を書くときの注意!品名をごまかして無理矢理送るとどうなる?
「信書を宅急便で送ってしまおう!」と思って品名に”書類”と記入した場合
「宅急便は追跡サービスもあるし、中身が見えないんだから大丈夫」と思い、品名に”書類”と書いて送ることもあるのではないでしょうか?
通常は、品名に”書類”とだけ記入してある場合は、書類の内容について確認されます。
信書は先ほどもご紹介した通り、受取人、差出人、内容が特定される大切な書類です。
信書の郵送をできない方法で無理矢理郵送すると、送り主だけではなく宅急便業者も罰せられることになっています。
他にも様々な理由があり、ヤマト運輸では信書の配送を一切行っていません。品名に”信書”と書ける方法で信書を送るようにしていただければと思います。
品名を書かずに送った場合
コンビニなどから発送した場合には、お金さえ払えば品名欄はあまり気にせずに受け取ってもらえることが多いと思います。
その場合は、宅急便業者から品名についての確認連絡が来ることがあります。
実際の品名と違う品名を書いた場合
ここまでご紹介してきたとおり、品名を正しく書くことによって、荷物を安全、確実に配送してもらうことができます。
一般的には宅急便業者のミスで荷物が壊れたりした場合は、運送保険に入っていなくても補償をしてもらうことができます。
正しく品名を書かなくて荷物が壊れた場合には、補償が一切なくなることに注意です。
【「宅急便」はヤマト運輸の登録商標だった!】
荷物を宅配してくれるサービスのことを、「宅急便」と呼んでいる人は少なくないかと思います。実は、私もそうでした…。
ですが今回調べてみて、なんと「宅急便」とはヤマト運輸の登録商標で、それ以外の運送会社では「宅配便」と呼ぶのだそうです。
つまり、宅配サービスのことを話題にするときには、「宅配便」と言うのが正しいということですね。
品名を書くときは、ここまでご紹介してきたことを参考に、適切に記入して頂ければと思います。
中には、発送だけ依頼されて中身がよくわからないという場合もあると思いますが、配送が安全、確実に行われることを願って、なるべく中身を確認して品名を書きましょう。
最後に、スーツケースを送る時の品名の書き方についてご紹介します。
スーツケースを送る時の品名の書き方はコレ!国際宅急便の場合は?
旅行や出張などでスーツケースを使うときは、移動の際にスーツケースを持ち歩くのが面倒ですよね。
行きも帰りもスーツケースを送るなんてことがあると思います。
スーツケースを送る時の品名の書き方はどうすればいいのでしょうか?
発送も受け取りも国内の場合
スーツケースが丸ごと無くなるということは珍しいことではなく、取り違えるなんてこともありますよね。
そんなときに宅急便業者にきちんと補償してもらうために、品目の欄はなるべく詳しく記入しましょう。
- スーツ他衣類
- 靴3足
- ドライヤー
- デジカメ
- 腕時計
- 洗面用具 など
配送事故が起きた場合に、品名に書かれていないものについては補償の対象外となります。
国外にスーツケースを送る場合
国外にスーツケースを送る場合はインボイスが必要です。各宅急便業者で用意されています。
インボイスには、スーツケースに入っているものと、その金額をなるべく詳しく書きます。
通関でスーツケースのX線検査などをしたときに、インボイスの内容とスーツケースの中身が合っていないと、荷物が送り返されてしまうことがあるので注意です。
国際宅急便では送れない品物があることにも注意です。
- 生の食品(生米、野菜、肉、魚、乳製品など)
- サプリメントやビタミン剤
- 毛皮
- 電池
- 刃物
- 劇物
- 医薬品
- 貴金属
- たばこ
- 信書 など
他にも忘れてはいけないのが、国ごとの禁制品です。
ヤマト運輸のホームページなどから確認できますので、スーツケースに入れる前に確認が必要です。
まとめ
宅急便の品名の書き方について詳しく紹介してきました。
以下、ポイントをまとめてみます。
- 宅急便の品名に書くべき基本的なことは品名と素材名
- 宅急便の品名を正しく書くことで安全・確実に荷物を配送してもらうことができる。
- 宅急便では発送できない品目もあり、宅急便業者や専門業者に依頼が必要な場合もある。
- 宅急便の品名を正しく書かない場合は補償されない・送り返されることもある。
- スーツケースを発送する場合は、配送事故が起きたときのことを考えて詳しく品名を書く。
- スーツケースを国外に発送する場合はインボイスが必要。禁制品のチェックも忘れずに!
これまで何気なく書いていた宅急便の品名ですが、適切に書くことが、自分の荷物を守ることにつながるとわかりました。
今回ご紹介した発送できない品目の中に、商品券なども含まれていましたが、私は過去に荷物の片隅に、商品券も一緒に梱包したことがあることを思い出しました。
今考えると、現金をそのまま他人に預けていたんですね。危険です。
これから宅急便を送る時は、安全、確実に送れる方法をきちんと確認したいと思います!