大切な人が亡くなり、悲しみに浸る間もなく、お通夜、お葬式の日程を決めなければいけない……それは、精神的にも肉体的にも、とても大変なことです。
筆者も、この間、大好きだった人が亡くなりました。けれどもすぐに、お通夜、お葬式を行わなければならなかったので、悲しみに浸る暇なんて、全くありませんでした。
その中で、筆者が感じたことがあります。それは、
こういう時、知識があれば、スムーズに進める事が出来、少しでも悲しい気持ちと向き合える事が出来たのかもしれないな…
ということです。
通夜や葬式に参列する事はあっても、自ら行った事は無く、全くそのような知識が無かった筆者は、ひとつひとつのことにつまづいてしまい、何ひとつスムーズに進める事が出来なかったのです。
悲しみに浸る間が無く、気持ちが不安定な中、知識が無い状態でその後のことを進めていくのは、とても辛いものでした。
今回は、その様なことにならない様に、少しでも知識を備えていればと、筆者の反省を活かして、「お通夜とお葬式の日程を決めるポイント」を中心に、書かせてもらおうと思います。
目次
通夜と葬式の日程や時間を決めるときの6つのポイント
まずは、流れを簡単に説明させて頂きます。
(宗派によって、様々な形がありますが、ここでは仏教式の葬儀を取り上げます)
- 病院で死亡確認、死亡診断書をもらう
- 死亡診断書を提示し、火葬場の空き状態を確認し、予約する
- 出仕して頂く僧侶を頼んだり(家での葬式の場合)、ホールなどの予約(シティーホールでの場合)
- 火葬日時が決まったらその前日の晩にお通夜を行う
- 告別式と火葬
- 場合によっては、火葬後その日のうちに初七日を拝む
大体、この流れになります。神式やキリスト教の場合は、もう少し簡素になるかもしれません。
通夜と葬式の日程を焦っても、死亡後24時間は火葬できない
次に、火葬時の注意点をいくつか説明させて頂きます。
- お通夜式が行われる日程は、「火葬を行う日の前日」というように決められる
- 火葬場では、医師の死亡診断書がなければ火葬してもらえない
- 臨終後24時間は火葬出来ない
- 火葬場は、年末年始は大体休み
- 火葬場は、友引の日は定休日の所が多い(友引の日については、後ほど説明させて頂きます)
火葬を行う日程は、火葬場の空き状況や、出仕して頂く僧侶のスケジュールを考慮して決めることになるので、 臨終された日から、お通夜式の日を特定することはできません。
また、死後24時間は火葬してはいけないという決まりがあります。昔、土葬していた時代に、息を吹き返した人が居たという説があり、もしも生きていた場合、火葬してしまっては取り返しがつかない事になってしまうという事が、理由のひとつです。
それともうひとつ、少しでも事件性がある死亡の仕方だと、警察の調べが入ることもあります。そういった理由から、死後24時間は火葬してはいけないという事になっています。
ですので、亡くなってすぐに火葬をするということはありません。
火葬の際は、以上のことに注意して下さい。
通夜、葬式の日程で考慮すべき『六曜』
『六曜』という言葉を御存知でしょうか。
実は、筆者…恥ずかしながら、これまで知りませんでした…(汗)
六曜は「ろくよう」と読みます。
日本では、暦の中でも有名な暦注の一つで、一般のカレンダーや手帳にも記載されていることが多いんだそう。今の日本においても影響力があり、「結婚式は大安がよい」「お葬式は友引を避ける」など、主に冠婚葬祭などの儀式と結びついて使用されているそうです。
お通夜、お葬式の日程を決める際に、とても重要な事となりますので、覚えておいて下さい。
その、六曜で注意すべき点をいくつか紹介します。
- 友引の日の通夜、お葬式は避ける
- 先勝では午後の葬儀はNG
- 先負では午前の葬儀はNG
以上です。
その他は、特に気にする必要はないとされています。
では、順番に説明していきましょう。
友引の日のお通夜、お葬式を避ける理由は、「友を引く」という字面から「友を死後の世界へ引き寄せる」と言われ、縁起が悪いとされているからです。
この日を定休日としている火葬場も多い為、友引の日のお通夜、お葬式は避けた方が良いでしょう。ただし、最近では、お葬式は避けるが、お通夜は行うという事も多い様です。
先勝の日に、午後の葬儀はNGな理由は、「先んずれば勝ち」とされていて、何事においても急ぐほうが吉であると言われているからです。
午前中が吉、午後2時~午後6時までが凶だとされています。
先負に、午前中の葬儀がNGな理由は、先負けは、先勝の逆で「先んずれば負け」と言われているからです。
午前中は凶、午後は吉とされています。
先勝、先負に関しては、ここ最近、あまり細かく言われる事は少なくなりました。
これらのことに気を付けて、お通夜、お葬式の日程を決めて下さい。
六曜等で遺体を安置しなければならない場合
もしも、友引等で、どうしても火葬場が空かない場合、その間、遺体を安置しておかないといけません。
それが、真夏の場合は特に、遺体が傷みやすいので、「エバーミング」という処置をしてもらって、遺体が腐敗しない様にする必要があります。エバーミングには15万程かかります。
六曜の事も有り、なかなか日程を決める事が出来ず、その間に遺体が腐敗してしまうという事が無い様、気を付けて下さいね。
ちなみに、1日遺体を安置するのに、ドライアイス代等で、約一万円程かかります。
葬儀の日程を先送りにする際は、 それに伴い発生する費用と処置に関しても予め考慮しておいた方が良いでしょう。
通夜の日程は葬式の前日が一般的だが、こだわらなくてもよい場合も
通夜は、大体、葬式の前日に行なわれる事が一般的ですが、実は、必ずしもそうでなければならないという事はありません。
それには、以下の理由があります。
- 火葬場が混み合っていて、予約が取れない場合
- 火葬場の最終予約は大体午後2時までと決まっているのだが、その時間に間に合わなかった場合
- 親類縁者が遠方に居る場合
以上の場合は、先に通夜だけを済ませ、2日後からそれ以降に、葬式を行います。
葬式形式の種類
一般葬 | 通夜、告別式、火葬がセット |
直葬 | 通夜と告別式を行わず、直接火葬する |
1日葬 | 通夜を行わず、告別式と火葬のみ |
どの葬儀形式で、進めていくのかは、親類とよく相談して決めて下さい。
- 友引の前日だった場合
- 亡くなった時間の関係で、葬儀式場、又は火葬場の予約が取れなかった場合
- 通夜は午後6時からが一般的とされている為、その時間に通夜を行う事が出来ない場合
以上のことから、通夜の日時は様々な条件から決まります。
その条件と照らし合わせて、日程を組んで下さい。
葬式と通夜は、喪主が日程を組むものではない
葬儀で重要な役割を務める立場が、喪主です。葬儀の幹事と言っても良いでしょうか。喪主には、やらなければならない事が沢山あります。
筆者の場合、この間の葬儀では、祖母が喪主を務めたのですが、とにかく大変そうでした。目の回る忙しさです。
ただ、やる事が多いといっても、葬儀の日程は、喪主が組むものではありません。
では、喪主を務める場合、又はその一親等が、葬儀の際に気を付けておかなければいけない事をいくつか上げてみましょう。
- 亡くなった人の一親等は、一般的に自分で葬儀の日程を組むものではない。信頼できる親族にすべて任せて、どっしりと構えておくのが普通。
- 自分が通夜や葬式等の段取りを、差配する立場であるなら、分からない事はその都度、葬儀社や親族に相談すること。詳しい人は必ず居るはずなので、自分1人で判断するよりも、人に聞いた方が早い。
- 親族の中に、海外居住まい、小さな子供がいる、その他の理由で通夜や葬式に顔を出せない場合、日にちをずらして、お別れに来る人が居るので、家には必ず誰かがいて挨拶を受けることが必要。
- 四十九日まで、線香は常に絶やさず焚いておくこと。
以上のように、やらなければならない事と、頭に入れておかないといけない事が沢山あります。
少しでも、こういった葬儀に関する知識を備えておく事は、とても大切な事です。
お葬式の豆知識、ワンポイントアドバイス 六曜・友引(葬式・岡山)
まとめ
どうでしたか。
少しでも、葬儀に関する事を知って頂けたでしょうか。
では、ここまでのことを、簡単にまとめてみます。
- 葬儀の日程を先送りとする際には、 それにともない発生する費用と処置がある
- 六曜は、お通夜、お葬式の日程を決める際に、とても重要な事となるので、覚えておくこと
- 火葬の際は、いくつかの注意点に気を付けて日程を決める
- お通夜やお葬式の日程を決める時の流れとポイントを、きちんと把握しておく
- お通夜の日程は、お葬式の前日とこだわる必要はない
- 葬儀の日程は、喪主が組むものではない
- 喪主を含め、一親等はやらなければならない事と、頭に入れておかなければならない事が沢山ある
以上です。
とにかく、分からない事があれば、その都度人に聞いて進めるのが1番です。
最近は手軽な家族葬なども増えているので、六曜や長いお経等も簡略化出来る事もあります。
葬儀の日程や規模、しきたり等は宗派や土地柄によっても、それに沿った葬儀を行なって下さい。
これまで、色々と話してきましたが、ここで筆者自身が感じている事は、1番はやはり、心のこもった葬儀を行う事が大切なのではないでしょうか。
先日、筆者の大切な人が亡くなった時は、本当に忙しすぎて、その上知識が無かった為、心のこもった最後の中で、見送ってあげる事が出来なかった様な気がします。
そうならない為にも、葬儀に関しての知識を少しでも備えておく事が必要になってくるのだと思うのですが、どんな場合でも、どんな状況でも、最後は、心を込めた葬儀の中で見送ってあげる事が、亡くなった方への1番の供養となるのではないかと思います。