【監修者:管理栄養士 中山沙折】
鶏ガラスープの素がないときは、身近な調味料を代用品にして料理できます!
鶏ガラスープの素は中華風だしなので中華味の素・シャンタンなどはもちろん、洋風だしのコンソメ、和風だしのほんだしでも代用できます。
ただし、塩分量などの成分や原材料の違いなどがあるため、それぞれのだしが持つ特性に合わせることが大切になります。
そこで、今回の記事では次の事をお伝えします。
鶏ガラスープの素を切らしていても、わざわざそのためだけに買い物に走らなくても良ければ助かりますよね。
最後まで読めば、どんな調味料が代用品になるか知ることができ、それぞれの調味料の特性を生かしての使い方が分かります。
また、代用品の調味料を使ったレシピも紹介しています。意外な美味しさを発見できるかもしれないので、ぜひ参考にしてください。
管理栄養士・栄養士
目次
鶏ガラスープの素がないときは、他の調味料で代用できる?
鶏ガラスープの素がないときは、原材料が似ている調味料、あるいはちょっとした工夫で他の調味料を使って代用できます。
代わりに使える調味料を説明する前に、まず、鶏ガラスープの素についてどのようなスープなのかを説明します。
鶏ガラスープの素とは
鶏ガラスープの素とは、鶏肉と鶏ガラをじっくりと煮出して作った本格的なスープの素です。
原材料名
食塩、デキストリン、チキンエキス、鶏油、野菜エキス、こしょう、たん白加水分解物、酵母エキス/調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、乳化剤栄養成分表示(スープ1杯分(2.5g)あたり)
エネルギー:4.8kcal、たん白質:0.36g、脂質:0.05g、炭水化物:0.74g、食塩相当量 1.2g
鶏ガラスープの素はチキンエキスと野菜エキスが主な原材料になっています。
鶏ガラスープ自体は塩味ですので、あっさりしていて強い主張はありませんが、鶏だしのコクと野菜の自然な甘さがあります。
なお、デキストリンとは、いもやとうもろこしのデンプンを分解したもので、食品に粘り気を与えたり粉末の食品をサラサラに保つために使われています。(※1)
鶏ガラスープのサラサラとした感じは、デキストリンからきていたのですね。
鶏ガラスープの素は、スープや料理の調味料として利用するのが一般的ですが、以下のようにそのままでも使えます。
- ふりかけ代わりにご飯にかける
- 温野菜とあえて味付けをする
- 豆腐にふりかけて冷や奴のタレとして使う
ひと味足すことによって物足りなさをなくし、美味しさをプラスできる便利な調味料です。
鶏と野菜のやさしい風味を持っている鶏ガラスープの素をそのまま使えるのは、お手軽でいいですね。塩分は多めなので、ついつい使いすぎないように注意しましょう。
このように鶏だしのきいた調味料が鶏ガラスープの素ですが、切らしていた場合、他の調味料でも代替できるのです。
スープを作るのに、鶏ガラスープの素がなくてコンソメで作った人の口コミです。
12/3
夜
たまごスープ麻婆豆腐作ったんだけど、途中で少し気持ち悪くなったためやめて、スープのみ。
鶏ガラスープの素無くなったからコンソメで代用したけど全然いけた!今日はちゃんと湯舟浸かりました🛀
冬だと気持ちいいね☺️
2日に1回は湯舟に浸かることにするのがとりあえずの目標🙆♀️!— りんめ@ダイエット/イエベ春ストレート (@ri_n_me) December 3, 2018
美味しく食べられて良かったですね!
このように、鶏ガラスープの素は中華風だしだけでなく、和風だしや洋風だしでも代用できます。
ただし使い方にはちょっとした工夫が必要ですので、次に鶏ガラスープの素の代用品となるおすすめの調味料を使い方とともに紹介していきます。
鶏ガラスープの素の代用品8選!ほんだしなどは代わりになる?
鶏ガラスープの素は中華風だしの一種で、味の方向性が一緒なら代用品としてとても使いやすいです。
しかし同じ中華風のだしでも、塩分量や原材料、顆粒やペースト状などの形態が違っていますので使い方に工夫が必要になります。
成分のうち、食塩と脂質に着目して説明していきますね。
食塩 | 脂質 | |
---|---|---|
鶏ガラスープの素 | 0.48g | 0.02g |
味の素KK中華あじ | 0.49g | 0.05g |
創味シャンタン | 0.4g | 0.3g |
プレミアム味覇 | 0.33g | 0.28g |
香味ペースト | 0.35g | 0.37g |
コンソメ | 0.47g | 0.04g |
ほんだし | 0.40g | 0~0.01g |
ダシダ | 0.45g | 0.08g |
ほんだし焼きあごだし | 0.37g | 0~0.01g |
中華味の素で代用する
中華味の素は、鶏ガラスープの素と同じ顆粒状の中華風だしです。
ポークエキスと野菜エキスが主な原材料になっています。(※2)
さらにオイスターソースのエキスが加わっていますのでしっかりとした中華味がすでに入っています。
塩分はさほど変わりませんが、中華あじの脂質は鶏ガラスープの素の2倍以上なので、鶏ガラスープの素のあっさり感と比べると、こってり感があると言えます。
シャンタンで代用する
創味シャンタンはペーストタイプと粉末タイプがある中華風だしです。ここではペースト状のもので紹介していきます。
畜肉エキスと野菜エキスが主な原材料です。(※3)
塩分は鶏ガラスープの素の方が多いのに創味シャンタンの味が濃く感じるのは、砂糖や玉ねぎやニンニクなどの20数種類を混ぜ合わせた多くのスパイスがからみあっているからでしょう。
鶏肉だけでなく豚肉・牛肉のエキスも入っているため、脂質は鶏ガラスープの素の15倍にもなっています。
ウェイパーで代用する
ウェイパーはペーストタイプの中華風だしです。
ポークとチキンエキスパウダーと野菜パウダーが主な原材料です。(※4)
鶏ガラスープの素と比べてみると塩分は少ないですが、脂質は14倍となっており、やはり豚骨と鶏骨をベースとしたしっかりとした深い味わいであることが分かりますね。
香味ペーストで代用する
香味ペーストはペーストタイプの中華風だしです。
チキンエキス、ポークエキス、野菜エキス、香味油が主な原材料です。(※5)
鶏ガラスープの素の成分と比べてみると、塩分は少ないですが、脂質は19倍となっています。
豚と鶏の他にも、香味油のこがしニンニク油やネギ油などが入っていて、香り高い濃厚な味わいだと分かります。
洋風だしのコンソメで代用する
コンソメは顆粒タイプとキューブ状の固形タイプがある洋風だしです。
チキンエキス、ビーフエキス、野菜エキスが主な原材料です。(※6)
鶏ガラスープの素の成分と比べてみると、塩分は同じくらいで脂質は2倍となっています。
あっさりした中にビーフエキスが入っている、洋風仕立てな味わいのチキンコンソメです。
洋風ですので味の違いはありますが、肉と香味野菜の味が料理にコクを出してくれます。
和風だしのほんだしで代用する
ほんだしは顆粒タイプの和風だしです。
かつおぶし粉末、かつおエキスが主な原材料です。(※7)
鶏ガラスープの素の成分と比べてみると、塩分は約8割で脂質はほとんどありません。
とてもあっさりとして上品な味わいですが、物足りなさを感じるかもしれないので、しょうゆや塩を少し足すと良いです。
また、料理の素材に鶏ガラスープの素に入っている鶏肉や野菜を使うのも良いでしょう。
ダシダで代用する
顆粒状の韓国のだしの素です。
牛肉のエキスと混合薬味の玉ねぎやにんにくが主な原材料です。(※8)
鶏ガラスープの素の成分と比べてみると、塩分はやや少なめですが、脂質は4倍です。
牛や複数の野菜のコクがありますので、他の中華だしと同様、量の調整に気をつけましょう。
あごだしで代用する
和風だしの中でも特徴のあるあごだしでも代用できます。
炭火であぶったとびうおが主な原材料です。(※9)
魚系ですので味わいは違いますが、甘さと香ばしさがあるのが特徴です。
鶏ガラスープの素の成分と比べてみると、塩分は8割弱で脂質もほとんどないので、あっさりした味わいです。
代用の場合は、みそやしょうゆを加えるなど、味付けを濃いめにすると良いでしょう。
このように、鶏ガラスープの素がなくても、他の調味料で代用できます。代用品でアレンジした場合のおすすめ簡単レシピをご紹介します。
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鶏ガラスープの素の代用品を使った人気レシピを紹介
では、鶏ガラスープの素の代わりに他の調味料を使ったレシピを紹介していきます。
創味シャンタンで「納豆チャーハン」
チャーハンを創味シャンタンで作ると、鶏ガラスープの素よりもコクがでます。
塩分量は鶏ガラスープの素が多いのですが、3種類の肉のエキスをはじめ、20数種類ものスパイスが入っているので味が濃く感じられます。
分量は少なめから入れてみてくださいね。
コンソメで「わかめと玉子の中華スープ」
スープをコンソメで作ると、鶏ガラスープの素よりも洋風のコクがでます。
塩分量はほとんど変わりませんが、コンソメには味がついているので量は少なめにし、塩味が足りなければ塩で調節しましょう。
ほんだしで「スープ餃子鍋」
餃子鍋を作るときにほんだしで作ることであっさりとした和風味になります。
塩分量も少なくなるので、塩分を少し足すと良いでしょう。
コンソメ+ほんだしで「お鍋のだし」
コンソメとほんだしを混ぜてお鍋のだしを作って食べてとても美味しかったという口コミがありました。
お鍋のだし、チキンコンソメ(鶏ガラスープの代用)+ほんだし+塩+こしょう+しょうがってレシピを作ってみたんだけど、とっても美味しかった(*´∇`*)具材も何でも合うし、今冬リピ決定だなw
— さば🐈 (@nyankomamiretas) November 10, 2011
具材は何でも合うということですから、鶏肉や豚肉に野菜たっぷり入れて食べてみるとコク深いお鍋になりますね。
何も使わないで「鶏肉と白菜のスープ」
最後に鶏ガラスープの素だけでなく、他の調味料も何も使わないで作るレシピを紹介します。
我が家でもよく作るのですが、白菜と玉ねぎと鶏もも肉としょうがの千切りをたっぷり入れてコトコト煮込み、最後に塩少々入れるだけです。
素材のやさしい味だけで美味しくいただけるスープです。
鶏もも肉からうま味が出て、まるで鶏ガラスープを入れたようになります。
結論|鶏ガラスープの素がなくても代用できるものがある
鶏ガラスープの素がなくても代用できる調味料があることが分かりました。
中華風だしである中華味の素やシャンタン、ウェイパーは味の方向性が一緒ですので代用しやすいです。
ただし、塩分量や成分の違いがありますので、使う分量は様子を見ながら足しましょう。
洋風だしや和風だしは味の方向性は違っても、洋風のコクが出たり、和風の味つけになって、分量や他の調味料の増減などで代用できます。
このように、他の調味料で代用することで、料理にコクや深みが出たりと新しい味の発見にもつながります。
レシピも参考にしていただき、鶏ガラスープの素の代用としてぜひ、いろいろ試してみてくださいね!