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食材・料理のQ&A

カニの栄養と食べ過ぎによる注意点|適量と効果的な食べ方とは

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料理・食材
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【監修者:管理栄養士 本田智恵】

カニは栄養価が高い食品ですが、食べ過ぎるとプリン体やカリウムなどの影響で痛風や下痢などの症状がおきる可能性があります。

また生や刺身だけでなく、ゆでたときにも下痢や気持ち悪いなどの食中毒症状や、アレルギーの可能性もあるので、注意しなければなりません。

カニ 食べ過ぎ

しかしカニには、たんぱく質やビタミンB、アスタキサンチン、タウリンなど健康に良い効果を期待できる栄養素が含まれているため、1日の適量を守って食べるのがポイントです。

そこで今回は、カニの栄養や食べ過ぎたらなぜ体に悪いのか、理由などを解説していきます。

カニは抗酸化作用などの嬉しい効果やダイエットにも向くと言われているので、食べ過ぎたときのリスクに注意して、美容も意識しながら食べたいですね。

カニの栄養を効果的に摂る食べ方も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

記事監修者・管理栄養士・本田智恵先生記事監修・本田智恵先生
管理栄養士・栄養士
管理栄養士/ 社会福祉法人の保育園にて10年間勤務。園児向けの献立作成、レシピの考案、健康管理や食育活動を行う。管理栄養士国家試験の解題・解説も一部担当。現在は、フリーランスとして栄養・健康の記事作成や監修を行う。最新の栄養学に基づいた情報発信により、皆さまを食事で健康にする手助けをしたいと活動中。

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カニの栄養とメリット・食べ過ぎに注意したい成分

カニは栄養価が高く、体に良い効果が期待出来る食品ですが、食べ過ぎると痛風や下痢になる栄養素も含まれています。

カニ 栄養 食べ過ぎ

ズワイガニの主な栄養成分(100gあたり・可食部)(※1)
成分
エネルギー 65kcal
たんぱく質 15.0g
脂質 0.6g
ビタミンB2 0.57mg
ビタミンB12 7.2μg
カリウム 240mg

※カニは数種類ありますが、成分に大きな差はないので、代表的なズワイガニを表示しました。

ご覧の通り、たんぱく質やビタミン類など栄養素が豊富に含まれています。

まずは健康や美容にメリットをもたらす栄養素を、なぜ体に良いか理由も交えて解説していきますね!

高たんぱく・低カロリー・低脂質でダイエット向き

カニはたんぱく質が豊富でカロリーや脂質が少ないので太る心配が少なく、ダイエット向きの食品と考えられます。

カニ 栄養価 食べ過ぎ

たんぱく質は筋肉や臓器や肌など、人間の体を作る大切なはたらきをするので、ダイエット中でもしっかりと摂らなければなりません。(※2)

カニはたんぱく質を豊富に含んでおり、しかも100g中のカロリーが65kcal、脂質は0.6gと非常に少ないため、ダイエットに向いていると言えるでしょう。

また、ダイエットだけでなく健康維持に大きな関わりを持つビタミンB群も豊富に含まれていますよ。

代謝を良くするビタミンB群は健康や美容の味方に

ビタミンB群は、エネルギーの代謝を活発にするので「代謝ビタミン」とも呼ばれています。

ビタミンB群の中で、カニに特に多く含まれているのはビタミンB2とB12です。

カニ 栄養素 食べ過ぎ

ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えたり、皮膚や粘膜などの成長を促すと言われていますよ。

ビタミンB12はヘモグロビンを造る助けをしているので、貧血や神経系統を健康に保つ役割が期待されます。(※3)

特にビタミンB12は100g中7.2μgと非常に多く含まれており、これは1日の摂取目安量(2.4μg)の3倍にもなります。(※4)

管理栄養士 本田智恵
管理栄養士
本田智恵
ビタミンB12は水溶性なので、必要以上に吸収されることはなく、過剰摂取にはならないので安心ですよ。

美容や健康に良いと言えば、カニの持つ赤い色素であるアスタキサンチンには抗酸化力があるため、とても有用な成分です。

強い抗酸化力を持つ栄養素アスタキサンチン

アスタキサンチンとは、カロテノイドの一種で強い抗酸化作用を持ち、体の細胞を傷つけたり老化の原因になったりする活性酸素を減少するはたらきがあります。(※5)

アスタキサンチンの抗酸化作用は非常に強く、同じ作用のあるβカロテンの5倍、ビタミンCの6000倍もあると言われています。

強い抗酸化作用を持つカニを食べると、病気の予防やアンチエイジングにもなると言えそうですね。

そのほか、生活習慣病を予防して、健康面で若返りが期待できるタウリンにも注目しましょう!

タウリンで生活習慣病予防

タウリンはアミノ酸の一種で、肝機能を高めたりコレステロール値を下げるはたらきや、心臓病や動脈硬化、高血圧の予防など、生活習慣病の予防効果が期待されます。(※6)

管理栄養士 本田智恵
管理栄養士
本田智恵
タウリンは人の体内でも作ることはできますが、必要量には満たないため食事から補う必要があります。視力の回復やインスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌促進にも効果があると言われています。

カニ 栄養成分 食べ過ぎ

このように、カニは健康や美容にとても良い効果を期待できる、魅力的な食品です。

一方で、食べ過ぎるとプリン体やカリウムの影響で痛風や下痢になる可能性もあるので詳しく解説していきますね。

カニの食べ過ぎでデメリットになる栄養成分の影響

カニにはプリン体やカリウムが含まれていて、食べ過ぎると痛風や下痢など体に悪い症状がおきることがあります。

カニ 食べ過ぎ リスク

なぜこのような症状がおきるのか、説明していきますね。

プリン体の摂り過ぎは痛風になるリスクあり

プリン体を摂り過ぎると、痛風になるリスクがあるので注意が必要です。

カニ 食べ過ぎ 痛風

プリン体は一般的に体に悪いと言われていますが、適量であれば、遺伝子を作る成分で細胞を新しく入れ替えたり増やしたりと大切なはたらきをします。

しかし摂り過ぎたプリン体は尿酸となり、尿酸値を上げて痛風の原因をつくるのです。(※7)

痛風とは、血液中の老廃物である尿酸が必要以上に増えた結果、結晶化して関節に溜まることで炎症をおこし、激痛がおきることです。(※8)

体の節々に強烈な痛みが来るのは非常に辛いですよね。

痛風以外にも腎臓障害や尿酸結石を引き起こすことがあるので、プリン体が多く含まれる美味しいものを食べ過ぎないようにしましょう。

辛い症状と言えば、カリウムの摂り過ぎで下痢になることがあります。

体を冷やすカリウムで下痢

利尿作用があるカリウムは、塩分と一緒に熱も体外に出して体を冷やすため、摂り過ぎると下痢になることがあります。(※9)

カニ 食べ過ぎ 体が冷える

胃腸が弱い人は体が冷えると下痢を起こしやすいので、気を付けてくださいね。

また、アレルギーで下痢や吐き気など、体に悪い症状がおきることもあります。

アレルギーにより湿疹や吐き気の症状

カニは甲殻類の食物アレルギー症状がでる場合があり、注意が必要です。(※10)

具体的には、湿疹や吐き気、下痢、唇や舌の違和感(しびれなど)の症状です。

カニ 食べ過ぎ 湿疹

重症になるとアナフィラキシーショックがおきてショック状態になり、命に関わることもあるため、アレルギー症状が出た場合は早急に対処しましょう。(※11)

このようにアレルギーで危険な症状がおきることもありますが、食中毒でも病気になる危険性があります。

生・ゆでガニどちらも食中毒に注意

カニは生で食べられる海鮮なので、腸炎ビブリオ菌による食中毒に気をつけなければなりません。

カニ 食べ過ぎ 気持ち悪い

また、ゆでガニでも菌がついていた場合、常温に置いておくと菌が増殖して下痢、お腹が痛い、発熱、頭痛などの食中毒症状がおきる可能性があります。(※12)

食中毒にならないように、次のような対策を取りましょうね。

食中毒対策
  1. 生・ゆでガニ共に常温で放置せず、すぐに冷蔵庫に入れる
  2. 刺身は「生食用」の物、ゆでガニは「そのまま食べられます」の表示を確認して購入する
  3. 腸炎ビブリオ菌は熱に弱いので加熱・再加熱はしっかりとする(※13)

また、アレルギーや食中毒以外でも、単純に大量に食べて気持ち悪くなることがあるようです。

たくさん食べ過ぎて胸焼けがおきてしまったようですね。

管理栄養士 本田智恵
管理栄養士
本田智恵
カニは普段食べることがあまりない高級食材なので、バイキングなどで張り切って食べ過ぎると「気持ち悪い…」となることも。慌てて食べると脳が満腹を感じるまでに食べ過ぎてしまうので、慌てず適度に食べましょう!

このように、カニを食べ過ぎると体に悪い影響があるため、食べ過ぎにならないよう1日の適量と栄養を効果的に摂取できる食べ方を調べてみました。

カニの食べ過ぎにならない適量と栄養摂取に効果的な食べ方

カニの食べ過ぎで体調を崩さないと思われる適量は、1日200g程度です。

カニ 食べ過ぎ 1日

なぜこの量が適量なのかと、栄養素を効果的に摂る食べ方を紹介しますね。

カニの1日の摂取量はプリン体の量を参考に

カニの食べ過ぎで体調に悪影響が出る可能性のある成分、プリン体の量から推測して、1日の適量は正味約200g程度と考えられます。

プリン体の摂取上限とそれに対するカニの量
種類 プリン体含有量
(100gあたり)
(※14)
プリン体の
1日の摂取上限
(※15)
プリン体摂取上限
に対する
カニの量(正味)
ズワイガニ 136.4mg 400mg 293g
タラバガニ 99.6mg 401g
カニみそ 152.2mg 263g

プリン体の摂取上限で見ると、カニの種類によって多少開きはありますが、正味約300~400gまで食べられます。

しかし、プリン体はほかの食品からも摂ることを考えなくてはなりません。

また、カニみそはプリン体含有量が多いので、みそが好きな人は食べる量を少なめに考えると良いでしょう。

総合的に見ると、正味約200gが適量と考えられます。

正味200gはどのくらい?
カニ 食べ過ぎ 適量
<一例>

ズワイガニは約30cmの大きさの場合、姿1杯=約400gです。

そのうち正味(食べられる部分)は約半分なので、姿1杯分になります。(※16)

カニは大小さまざまな大きさがあるので、グラム数を見て食べる量を考えてください!

カニの1日の適量が分かったので、栄養素が効果的に摂れる食べ方を紹介しますね。

カニの効果的な食べ方紹介

カニに含まれる栄養素のアスタキサンチンを、効果的に摂れる食べ方を紹介します。

カニ 食べ過ぎ 食べ方

参考レシピ

Cpicon カニと葱の卵焼き by rosenkranz

アスタキサンチンは、代謝を良くするネギと一緒に食べると効果がより高くなりますよ。(※17)

また、カニはカリウムの影響で冷えが生じるので、カニ鍋を作る時にひと工夫されている人もいるようです。

管理栄養士 本田智恵
管理栄養士
本田智恵
カニに多く含まれるビタミンB群は水に溶ける性質があるので、最後にスープを雑炊にして食べると残さず摂取できますよ!

生姜を入れると温まるので、体が冷えるのを防げそうですね!

なお、美味しいカニ鍋を家で手軽に作れるセットが通販でも取り扱っているので、ぜひチェックしてみてください。

こんな豪華な鍋をご家族で食べると、心も体も元気になれそうですね!

結論|カニは食べ過ぎないで適量を楽しもう

カニはたんぱく質やビタミンB、アスタキサンチン、タウリンなどの栄養素が豊富で、しかも低カロリー低脂質なので、健康やダイエットなどの美容にも良い効果が期待できます。

しかし、食べ過ぎるとプリン体やカリウムの影響で痛風や下痢になる可能性があるので注意が必要です。

1日の適量は正味200gで、これは一般的なズワイガニ(大きさ30cm)だと1杯分という常識程度の量なので、適量を守っていれば心配はないと言えるでしょう。

食中毒やアレルギーにも注意しながら、美味しく食べて体を元気にしましょうね!

 

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