私の実家のキッチンには、何年も前に開封して使い切れない片栗粉が放置してあります。
先日、賞味期限をチェックしてみると、だいぶ前に期限切れになっていました。母に内緒で捨てて、買い替えておこうと思っています。
「片栗粉を長期間保存するなら、冷凍の方安心なのでは?」と思っているのですが、実際はどうなのでしょうか?
今回は片栗粉が冷凍保存できるのかを調査して、冷凍方法などを詳しくご紹介していきます!
- 片栗粉は冷凍できる!冷凍保存方法と注意点をチェック
- 片栗粉の冷凍庫での保存期間はどれくらい?常温・冷蔵庫での日持ちも確認
- 冷凍したあんかけ料理のとろみを上手に復活させる解凍方法
- 片栗粉の活用方法を紹介
片栗粉のような”すぐに食べ切れない粉もの”を保存するときには、害虫被害も心配ですよね。
片栗粉を安全に保存できるように、知っておきたいポイントや保存期間をしっかり確認したいと思います。
片栗粉を使った料理のとろみが、冷凍すると消えてしまうのも悩みなので、上手な解決方法やあんかけ以外に片栗粉を活用する方法もご紹介します。
片栗粉を上手に保存して無駄なく使い切れるように、ご一緒に確認していきましょう!
目次
片栗粉は冷凍できる!上手な冷凍保存の方法&コツを紹介
冒頭でお話しした私の母のように、片栗粉を常温に置いている方は多いと思います。
水分やゴミを入れない限りは、簡単に腐らないというイメージですよね。片栗粉を冷凍している方がいるのかを、口コミなどで調べてみました!
- 「未開封なら常温、開封したら冷凍庫に入れている!」
- 「虫がわくのが心配だから、絶対に常温保存しない。冷蔵庫か冷凍庫で保存する」
- 「冷凍保存しても凍らないので、小分けにして冷凍しておくと安心」
- 「とろみがついている料理を冷凍して、解凍したら水っぽくなった」 など
実際に冷凍している方が多くいらっしゃいました。とろみがついた料理以外は「問題が起きた」という声はなかったので、下記のように考えてよさそうですね。
- 片栗粉は、溶かす前の粉の状態なら冷凍できる
- 冷蔵庫で保存してもOK
- 開封前なら商品に書かれている保存方法、開封後は冷凍庫か冷蔵庫で保存するのが安心
- とろみをつけた料理を冷凍すると、解凍後元は通りにならないと覚えておく
*とろみがついた料理の上手な解凍方法は、のちほど「片栗粉でつけたとろみは冷凍に向かない!あんかけ料理の上手な解凍方法とは?」でご紹介します!
片栗粉のような粉ものは、臭いうつりなど外部からの影響を受けやすいです!冷凍保存するときのポイントがいくつかあるので、冷凍保存の手順と一緒にご紹介します。
手順 | ポイント | |
1 | 使いやすい量ずつ小分けにし、ジップロックのような密閉できる保存袋に入れる | 冷凍庫からの出し入れを少なくして、温度変化で結露が出ないように |
2 | 保存袋の空気を抜いて密閉 | 湿気&臭い移り防止 |
3 | タッパーのような密閉できる容器に入れる | 粉もれ&臭い移り防止 |
4 | 冷凍庫に入れる | – |
*常温・冷蔵庫でも、同じように保存するのがおすすめです。
ちなみに、保存袋の代わりにラップを使うのはおすすめできません。完全に密閉できないので、粉がこぼれる・臭い移りなどの可能性があります。
片栗粉を最後に入れる容器は、フタがしっかり密閉できるものを使って下さいね。
セリアやダイソーのような100均では、片栗粉を含む粉ものがしっかり密閉&オシャレに保存できるような商品が販売されているので、店頭でチェックしてみましょう!
片栗粉を溶かした後に冷凍すると元通りにならないのはなぜ?
片栗粉って、水で溶かしてもすぐに分離しますよね。
片栗粉の分子は、水が入り込めないほどにしっかりまとまっている性質です。水と混ざり合わないので、すぐに使わないと分離してしまいます。
ところが、加熱すると分子が膨らんで水が入り込めるようになります。片栗粉でとろみがつくのは、水と片栗粉が調度よく混ざり合った状態なんですね!
片栗粉を水に溶かした状態で冷凍すると、一度離れた分子が元通りに修復できない状態に老化してしまいます。
水に溶かした後の片栗粉は冷凍に向かないので、溶かす前の粉の状態で冷凍しましょう!
ちなみに、片栗粉とよく似たコーンスターチは、「冷凍してもとろみが消えにくい」という情報があります。
コーンスターチとは?
とうもろこしのでんぷん粉です。冷やしてもとろみが保てる性質があるので、プリンやカスタードクリームを固める材料として使われるのが一般的です。
コーンスターチは「片栗粉よりもとろみが弱い」・「料理に白っぽい色がつく」という特徴もあるので、料理に合わせて片栗粉の代わりに使ってもOKです!
片栗粉は、粉の状態なら冷凍保存できるとわかりました。「食品は冷凍すると保存期間がのびる」というイメージがありますが、片栗粉の場合はどうなのでしょうか?
常温・冷蔵・冷凍の日持ちをそれぞれ確認してみましょう。
片栗粉の冷凍庫での保存期間はどれくらい?常温・冷蔵庫での日持ちも解説!
私は片栗粉を買うと、すぐにストッカーに移します。賞味期限を確認したことがないので、まずは本来の保存期間をチェックしてみました。
商品名など | 賞味期限 | 引用元 |
ホクレン農業協同組合連合会 片栗粉 |
1年3ヶ月ほど | 通販HP |
アマノ 北海道産100%片栗粉 |
製造から540日 | 通販HP |
雪和食品 粒子の大きな分級片栗粉 |
製造から2年 | 通販HP |
今回調査した限りは、どの商品も賞味期限が1年以上でした。商品によって期間に開きがあることがわかったので、これからは必ずチェックしようと思います!
片栗粉を冷凍or冷蔵で長期保存!保存期間を紹介
賞味期限は、本来「未開封で保存方法を守った場合の、美味しく食べられる保存期間」という意味です。(農林水産省のホームページより)
開封後の食品は賞味期限に関係なく早く食べ切るのが基本なのですが、片栗粉の場合は、「見た目などに異常が無ければ、賞味期限切れでも使える」という情報があります。
Q.賞味期限が切れた開封済みの片栗粉は使えますか?
A.開封済みでも密閉しており、虫の混入の形跡がなく、匂いも特に変わったものでなければ問題ありません。
出来ましたら唐揚げなどの高温処理の用途でお使いになられるのが、よろしいかと思います。
開封後に間違った保存方法で放置せず、すぐに冷凍庫か冷凍庫で密閉して保存すれば、虫が入る心配はほとんどありません。
害虫被害を含めて下記のような変化が無い限りは、冷蔵か冷凍で賞味期限を気にせず使える可能性があります。
- 目に見える虫がいる
- 片栗粉をよく見ると、動いている(害虫被害です)
- 変色
- カビ
ただし先ほどもお話ししたとおり、片栗粉は臭いを吸収しやすい性質です。何年も保存した場合は、見た目などに変化が無くても臭い移りは避けられません。
臭い移りした片栗粉を使うと、料理が台無しになってしまいますよね。
開封後に冷凍&冷蔵した場合の日持ち期間は、長くても1~2ヶ月ほどを目安にして使い切るようおすすめします!
片栗粉の常温保存は危険!? 常温での日持ちをチェック
何度もしつこいようですが、片栗粉を常温保存したときに一番こわいのは害虫被害です。
片栗粉につく可能性がある虫
- チャタテムシ
- ツメダニ など
保存袋の小さなすき間から侵入、保存袋を食いちぎって侵入など、油断すると侵入&増殖の危険性があるのでご注意下さい。
片栗粉ではありませんが、虫の侵入に気づかずお好み焼き粉を食べてしまい、ひどいアレルギー症状が出た事例もあります!
常温保存するときは、固くて密閉できる容器に入れて風通しの良い場所に置きましょう!
常温での具体的な日持ちは、家庭の保存環境に大きく左右されます。「〇日なら絶対に安全」とは言えないので、なるべく早く使い切るようおすすめします。
片栗粉を冷凍する方法と保存期間をご紹介してきました。上手に保存すれば、長期間劣化を防げる可能性があります!
最後に「あんかけ料理を冷凍すると、とろみがなくなる」という悩みを解決していきます。
片栗粉を無駄なく使い切れるように、とろみづけ以外の活用方法もご紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみて下さい。
とろみが復活!あんかけ料理の上手な解凍方法&片栗粉の活用方法
どんな料理も、冷凍したら少しは味や食感が落ちますよね。多少の変化は「しょうがない」と思いながら冷凍しています。
でも、とろみがついた料理だけは別です。せっかくのとろみが解凍後に消えていると、味まで不味くなったような気になりませんか?
あんかけ料理を上手に解凍する方法をご紹介します。
片栗粉でつけたとろみは冷凍に向かない!あんかけ料理の上手な解凍方法とは?
先ほどもお話ししたとおり、片栗粉のデンプンが冷えると劣化して、元通りにはなりません。
あんかけ料理の冷凍前の状態を再現するために、下記の解凍方法をおすすめします!
- あんかけ料理を解凍する(冷蔵庫に移して自然解凍or電子レンジで解凍)
- 電子レンジで、適温に温める
- 市販の「とろみのもと」をかけてとろみを出す
解凍しただけでとろみが復活する方法ではないのですが、「とろみのもと」はとても便利なアイテムです!
「とろみのもと」とは?
元々は赤ちゃんの離乳食用のアイテムで、冷凍したあんかけ料理を電子レンジで人肌くらいまで温めたら、混ぜるだけでとろみがつきます!
臭い・色が変化しないので、どんな料理にでも使える&とろみづけが失敗しない点が便利です。料理初心者の方にもおすすめですよ♪
赤ちゃん用品店に行かない方は、スーパーのベビーフードコーナーをチェックしてみて下さい。
通販でも購入可能です。
冷凍したあんかけ料理のとろみを復活させるために、通常は「フライパンで加熱しなおしてとろみをつける」など、面倒な手間が必要です。
直火で加熱しなおすと、野菜などは崩れてしまうこともありますよね。
「とろみのもと」は味や食感を変えずにとろみづけができる便利なアイテムなので、一度使ってみることをおすすめします!
冷凍中の片栗粉を料理にフル活用!
片栗粉の活用方法と言えば、とろみづけです。あんかけ料理以外に、カレーうどん・手作りシチュー・ホワイトソースなどにとろみを出すのにも使えますよね。
こちらではとろみづけ以外の片栗粉の活用方法をご紹介するので、ぜひ参考になさってみて下さい。
お肉・魚の下ごしらえに
お肉や魚の下ごしらえで、下味をつけた後に片栗粉をまぶすと、加熱しても固くなりにくい上にソースもよく絡みます。一石二鳥ですね!
お肉が固くなりやすい、下記のような料理に活用してみて下さい。
- 豚肉の生姜焼き
- 鶏胸肉の炒め物
- 唐揚げ(揚げ衣を小麦粉&片栗粉にする)
また、片栗粉に水分を含ませて焼くとモッチリした食感になるのを利用して、ひき肉料理(シュウマイ・肉団子・ハンバーグ)などに混ぜて焼くのも良いですね。
下味をつけたお肉・魚に、片栗粉をつけたまま冷凍してもOKです。
タピオカに
水分を加えて濃縮させた片栗粉で、タピオカが手作りできます!作り方はこちらの動画がシンプルでわかりやすいので、ぜひ参考になさってみて下さい。
黒い色を出すためには黒糖を使いますが、色にこだわりが無ければお家にある砂糖を使ってOKですよ♪
完成したタピオカは、茹でた後に小分けにして、冷凍も可能です。
まとめ
片栗粉の冷凍方法や保存期間など、無駄なく使い切るための情報をご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 片栗粉は冷凍できる!害虫被害を防ぐために、冷凍庫や冷蔵庫で保存するのが安心
- 溶かした後の片栗粉は、冷凍に向かない
- 片栗粉を冷凍すると長期間腐らない可能性がある。臭い移りの影響を考えると、1~2ヶ月を目安に使いきるのがおすすめ
- 片栗粉を常温保存するときは、劣化意外に害虫被害が出ないよう十分に注意する
- あんかけ料理を冷凍すると、とろみがなくなる。「とろみのもと」を活用してとろみを復活させるのがおすすめ
- 片栗粉は、とろみづけ以外の料理にも活用できる
片栗粉は、粉の状態で冷凍できます。臭いうつりしやすい食品なので、しっかり密閉して保存しましょう!
開封前なら高温多湿を避けて常温保存し、開封後は劣化&害虫被害を防ぐために、なるべく早く冷凍庫か冷蔵庫で保存すると良いですね。
片栗粉の製造メーカーからは「賞味期限切れでも使える」という情報がありましたが、今回ご紹介した活用方法を参考に、1~2ヶ月を目安に使い切って頂けると幸いです。
片栗粉を使ったあんかけ料理は、美味しいだけではなく保温性が高い点も便利ですよね。片栗粉の性質を上手に利用して、これからも有効活用していきましょう!