我が家にあった消毒用アルコールを使おうと思って何気なく商品表示を見ると、使用期限が切れていました。
消毒液にも使用期限があるなんて知りませんでしたが、開封前ですし液体の見た目に変化はありません。使ってもいいのでしょうか?
使用期限切れの消毒用アルコールは使えるのか、アルコールの効果が無くなるなど問題があるのかなどを調査してみました!
- 各社の消毒用アルコール(エタノール)の使用期限を調査
- 未開封で使用期限切れでも使える?開封後はどれくらい使えるの?
- 消毒用アルコールの正しい保存方法
- 使用期限切れ消毒液の活用方法
- 消毒液を処分するときの注意点を紹介
我が家にはハンドジェルタイプ・スプレータイプなど数種類の商品を常備しており、中には数年前に開封して放置していたのもいくつかあります。
開封後でかなり前から放置している消毒液を皮膚につけるのは抵抗があるのですが、お掃除などに活用してもいいのでしょうか?捨てるとしたらそのまま捨てるわけにはいきませんよね。
意外とわからないことが多い消毒用アルコールの取り扱いが、丸ごとわかるように徹底調査してご紹介していきます。
ぜひ最後までチェックしてみて下さい!
目次
消毒用アルコールやエタノール含有消毒液の使用期限はどのくらい?
さまざまな市販の消毒用アルコールがありますよね。まずは、どの消毒用アルコールにも使用期限があるのかを調査してみました。
主に医療用で販売されている商品、家庭向けに販売されている商品に分けてご紹介します。
*ちなみに、エタノールはアルコールの一種です。「エタノール」は国際化学命名法の呼び名になります。
他にもアルコールの慣用名が「エチルアルコール」、日本名が「酒精」となります。
名前がよく似ている「メタノール(メチルアルコール)」もアルコールの一種ですが、消毒用には使えないので十分注意してください!
お取り寄せページにつながるように商品をご紹介していきますが、購入前に価格を必ずチェックして下さい。感染症が流行しているなどで品薄状態のときには不当な高値がついている場合があります。
アルコール消毒液がどこに売っているかは、以下の記事で詳しく紹介しています。
↓ ↓ ↓
エタノールの売り切れはいつまで続く?アルコール消毒液の買える場所
主に医療現場用に販売されている消毒用アルコール
医療現場用の消毒液は、使用期限3年が一般的でした。
使用期限が何年なのか表示されていない商品もありますが、公式情報などで公表されている範囲で、どのくらいで使いきればいいのかをご紹介していきます。
消毒用エタノールIP(健栄製薬):使用期限3年
このほかにもヒビスコールSH(サラヤ)、ウェルパス(丸石製薬)も使用期限は3年で設定されていました。
アルボナース(アルボース):使用期限は不明
ケア・コール(ニイタカ):使用期限設定なし
ニイタカの公式情報によると、「保存環境で製品の状態が左右されるので使用期限を設定していないが、未開封・開封後どちらも3年以内に使い切るよう推奨」とのことでした。
お取り寄せをしたい方は、清潔キレイ館をチェックしてみて下さい。
主に家庭向けに販売されている消毒用アルコール
家庭向けの消毒用アルコールは、スプレータイプ・ジェルタイプなど、1回分が出てきて出し戻しの心配が無いように工夫されています。
消毒液を持ち歩くとこぼれるのが心配という方は、ウェットティッシュタイプも便利ですね。
ビオレU手指の消毒液 (花王):使用期限情報なし
こちらの商品表示に使用期限が書いてないので、花王に直接質問してみました。
未開封で高温多湿・著しい温度変化・直射日光を避けて保存すると3年は品質を保てるとのことでした。
お取り寄せをしたい方は、LOHACOをチェックしてみて下さい。
キレイキレイ薬用ハンドジェル(ライオン):使用期限情報なし
使用期限情報がなかったので、ライオンに直接質問してみました。
未開封であれば3年は効果・安全性・使用感に問題が出ないように設計しているとのことでした。
お取り寄せをしたい方は、アスクルをチェックしてみて下さい。
手ピカジェル(健栄製薬):未開封&冷暗所保管で2年〜3年
手元にあった手ピカジェルには使用期限が表示されており、購入時点から2年以上は余裕がありました。
エリエール 除菌できるウエットティシュー:使用期限設定なし
エリエールの公式情報によると、「未開封で高温・直射日光を避けて保存すると3年は品質を保てるが、1~2年の間に使い始めるのがおすすめ」とのことでした。
番外編:そのままでは手指消毒には使えない消毒液
ここまで手指に使える消毒液をご紹介してきましたが、そのままでは皮膚には使えないものもあります。
購入前に注意書きをよく読み、用途に合わせて商品を選んで下さいね。
掃除などによく使われる無水エタノールはドラッグストアなどで消毒用エタノールと並んで販売されていることもあります。
無水エタノールは濃度が濃いためすぐに蒸発して消毒には不向きですが、精製水で薄めると消毒用に使えます。
アルコール濃度70~80%程度が消毒剤として向いているので、無水エタノール 4 :精製水 1 の割合(例:無水エタノール100mlと精製水25ml)で混ぜてください。
無水エタノール(健栄製薬):使用期限3年
消毒用アルコールの使用期限を調査して「数年単位で使える」とわかったのですが、「使用期限切れ後は使わないように」と書かれている商品もありました。
でも冒頭でもお話ししたとおり、我が家にある未開封のままで使用期限切れになった商品の見た目には、異変がありません。
「目に見えないけど効果が薄れている」など、問題があるのでしょうか?
次に、手指消毒用のアルコール(エタノール)が使用期限切れになった場合の取り扱いについて、調査してみました。
使用期限切れのアルコールは使えるの?開封後の消費期限の目安も調査
使用期限切れの消毒用アルコールは皮膚に使って大丈夫なのでしょうか?
未開封で期限切れの場合に使えるのか、開封後はどれくらいの期間使えるのかを調査しました。
手指用の消毒用アルコールが期限切れ!使って大丈夫?
未開封のまま使用期限が過ぎた手指用の消毒液については、手ピカジェルなど数種類の商品には「使用期限切れのものは使用しないで下さい」と記載されていました。
「使用期限」や「使用期限切れ後の取り扱い」が記載されていない商品については、一般的な商品の使用期限にならって使うのがおすすめです。
- 医療用商品を調査してわかった一般的な使用期限の「3年」を目安に、使い切るようにする
- 使用期限切れ後は使わない
開封後の消毒用アルコールはいつまで使える?
開封後の手指用消毒用液の取り扱いについては、健栄製薬のホームページにわかりやすい情報がありました。
- 開封後にカビなどの菌が入り込まない限りは、開封後も使用期限まで使える
- 手指用消毒液は揮発(空気に触れて蒸発すること)しにくい。数年間は効果が薄れることはない
今回、消毒用アルコール(エタノールの)使用期限を調べた範囲では、ジェルタイプ、液体タイプなど消毒液の形状に関わらず、開封後の消費期限(使い切ったほうがいい期限)が設定されていないのが一般的でした。
健栄製薬によると、消費期限が設定されている商品があったら「消毒用アルコール(エタノール)の流通が悪くなるのを防ぐための設定」とのことでした。
また今回は花王とライオンに、使用期限と合わせて開封後の取り扱いも直接質問したので、回答をご紹介します。
Q.開封後は未開封よりも効果が薄れることがありますか?
花王の回答:開封後の保存環境によっては、品質が劣化することがあります。
ライオンの回答:キレイキレイ薬用ハンドジェルのポンプには、開閉弁が内蔵されています。開封後すぐに成分が揮発することは、ほとんどありません。
Q.開封後はどれくらいの期間で使い切るといいのでしょうか?
花王の回答:なるべく早く使い切るのがおすすめです。保存環境の影響で少しでも品質に異変を感じたら、使わないで下さい。
ライオンの回答:保存環境などで商品の状態が変化するので、開封後はなるべく早く使い切るようおすすめします。
開封後に使用期限切れになった場合については明確な情報がありませんでしたが、未開封の場合にならって使わないようにしましょう!
開封後で使用期限切れの消毒液を使ってしまった場合は、念のため洗い流すようおすすめします。
ただし医療用のように数リットル単位で購入し、容器に詰め替えながら使用する場合には、雑菌がついたゴミなどが消毒液に入り込む可能性があります。
消毒液の表面にゴミが浮いた状態になるとカビが生え、使用期限内でも使えなくなる危険性があるのでご注意下さい。
消毒用アルコールが使える期間を詳しくご紹介してきたのですが、商品説明を読んでいてもう1つ気になったのが、保存方法についてです。
次に消毒用アルコールの正しい保存方法も、ご一緒に確認していきたいと思います!
消毒用アルコールの正しい保存方法は?容器や温度など長持ちさせるコツ
消毒用アルコールは、保存方法によっては効果が薄れる可能性が低い商品です。
でも先程ご紹介した花王やライオンに質問した際の回答からは、保存方法を間違えると「成分の揮発」など問題が起きる可能性も考えられますよね。
そこで各商品に書かれていた保存方法をまとめると、【消毒用アルコール全体に共通の保存方法】と、【商品によって注意が必要な保存方法】に分かれていました。
それぞれご紹介します。
消毒用アルコール全体に共通の保存方法
- 直射日光を避ける
- 火のある場所を避ける(アルコールが乾かないうちに火の近くに行くと、引火する危険性もアリ)
- 高温多湿を避ける
高温ってどれくらいの温度?と疑問ですよね。
医薬品の品質を守るなどの目的で定められている「日本薬局方」では、温度帯ごとに呼び名があります。
- 標準温度:20℃
- 常温:15℃〜25℃
- 室温:1〜30℃
- 微温:30℃〜40℃
高温が何度かは不明なのですが、上記を参考に、「保存温度は高くても40℃まで」と考えておくのが適正かと思います。
炎天下の車内などは50℃、60℃などの高温になる危険性がありますので、消毒用アルコールを放置しないようおすすめします。
商品によって注意が必要な保存方法
医療用の消毒用アルコールを購入すると、「詰替えを前提に大容量で販売」、「1回分ずつ出せない容器で販売」などの場合があります。
そんなときは用途に応じて容器を選ぶことと思いますが、下記を覚えておいて頂けると幸いです。
- 保存容器は密閉性が高くて空気が入りにくい瓶がおすすめ
- 出しすぎ・出し戻しを防ぐために、瓶のスプレーボトルが便利
- 持ち歩く際は液漏れに注意
下記のような、アルコール対応の瓶なら安心です。遮光なので、直射日光の影響を最小限にできます!
消毒用アルコールについて詳しく調査した結果、正しい保存方法で、使用期限内に使うのが大切だとわかりました。
では、保存環境が悪くて劣化を感じた場合、使用期限が切れてしまった場合は、どうしたら良いのでしょうか?
最後に、手指に使う以外の活用方法があるのか、どうやって捨てればいいのかをご紹介します。
使用期限切れのアルコール消毒液の活用法や処分するときの注意点
先程ご紹介したとおり、消毒用アルコールは引火する危険性もあります。別の用途に活用するにしても、処分するにしても、安全面に気をつけたいですよね!
使えなくなった消毒用アルコールについて、ご紹介していきます。
使用期限切れの消毒用アルコールを安全に活用する方法
「消毒用アルコール(エタノール)が経年劣化や酸化で白く変色した」など、使用期限切れになって困っているという口コミを、多数発見しました。
実際の活用術をご紹介します。
- 水回りの掃除(トイレやお風呂など)
- 電化製品の掃除(リモコンやパソコンなど)
- 家の掃除(窓や玄関など)
- シールはがし
兼一製薬から発売されている「消毒用エタノールMIX」は、お風呂のカビ取りにも使えるという公式情報もありました。
「消毒用アルコール」の商品説明を読むと、「火気に注意」の他にもいくつか注意点があります。
お掃除に活用する際には、必ず注意点を確認なさって下さい!
- 目に入った場合は、すぐに水ですすぐ。ひどい場合は眼科を受診する
- 揮発する際の蒸気を大量に吸い込まないように注意する
- ゴム製品・樹脂製品・塗装面などは変質する可能性がある など
消毒用アルコールの正しい捨て方とは?
手指用の商品、無水エタノールなどの皮膚に使えない商品どちらも、処分する方法は主に2つです。
- シンクや洗面所で、水道水を流しながら少しずつ流す
- トイレに流す
薬品の成分によっては廃棄方法が商品に記載されている場合もあるので、必ず商品の説明を読んでから処分なさって下さい!
また、容器の廃棄方法は自治体によって違います。液体を処分した後に容器の内側を十分にすすいでから、自治体のルールを確認した上で処分しましょう。
以下の記事で詳しく解説していますので、気になっていたらご確認くださいね。
↓↓↓
使い捨てマスクは使用期限切れでも使える?未開封や開封後の保存期間
まとめ
消毒用アルコールの使用期限を始めとして、取り扱いがわからない点を詳しく調査してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 手指消毒用アルコールの使用期限は3年が一般的
- 無水エタノールは精製水で薄めると皮膚消毒にも使える
- 使用期限切れの消毒用アルコールは使わない方がよい
- 消毒用アルコールは開封後も劣化しくい
- 保存環境が悪いと劣化する可能性がある。劣化に気づいたら使うのをやめる
- 他の容器に移す場合は瓶がおすすめ
- 使用期限切れなら掃除に活用できるが、商品の「使用上の注意」を確認!
- 消毒用アルコールは基本的に水と一緒に廃棄する
買ってすぐに使う場合には使用方法などを特に意識しない消毒用アルコールですが、今回は使用期限切れのものがあったことで、さまざまな情報を確認できました。
使用期限が過ぎたら使わないと覚えておいて頂き、掃除に活用する際は火に注意、目に入らないように注意など健康を害することが無いようにして下さいね。
使用期限内で問題なく使える場合でも、劣化を防ぐための保存方法を再確認して頂けると幸いです。
災害や感染症がなければ気にして使うことが少ない消毒液ですが、いざというときには衛生や健康を守ってくれる強い味方になります。
今回ご紹介した情報を参考に、安全に使っていきましょう!